「趣味がない人の末路」——そう検索して、指が止まったことはありませんか。

まさ

休みの日、気づいたら夕方になってるんだよな…

平日は仕事で予定が埋まるから、困りません。怖いのは、その予定が外から与えられなくなる日のことです。定年、役職定年、子どもの独立。いつかその日が来たとき、自分には何が残るんだろう、と。

僕は34歳で独立して、36歳でその会社を失いました。時間が丸ごと空いた状態です。そのとき僕には、趣味と呼べるものがもうありませんでした。

のぶ

それでも「何もすることがない」とは感じませんでした。

理由は、趣味があったからではありません。

空白が怖いのは、趣味がないからではなく、向かう先が決まっていないからです。

この記事では、趣味を探さずに「向かう先」を1つ決める手順までをまとめました。

この記事で学べること
  • 「趣味がない」の不安が、本当は何への不安なのかを切り分けられる
  • 時間が空いても空虚にならない人が、事前に何を持っているかが分かる
  • 趣味を探さずに「向かう先」を1つ決める手順が分かる
  • 今日の夜から動かせる、いちばん小さい一歩が決まる
目次
  1. 「趣味がない人の末路」が、こんなに検索されている理由
    1. 検索されているのは趣味そのものではなく「そのあと」
    2. 怖いのは、空白の時間そのもの
    3. だから「趣味を作りましょう」では解決しない
  2. 僕は会社を失って時間が丸ごと空いた。でも暇にはならなかった
    1. 34歳で独立、36歳でその会社を失った
    2. そのとき、趣味はもう手元になかった
    3. それでも「何もすることがない」とは感じなかった
  3. 差を作っていたのは、趣味ではなく「先に決めていたこと」
    1. 僕には、前から考えていたことが1つあった
    2. 趣味は時間を「埋める」もの、向かう先は時間を「引っ張る」もの
    3. だから探すべきは、趣味ではなく向かう先が1つあるかどうか
  4. 「気が向いたら始める」が、いちばんうまくいかない
    1. 気分が先、行動が後、の順番では動けない
    2. やることが大きすぎると、脳が着手を拒む
    3. 定年まで待つと、選ぶ体力が残っていない
  5. 趣味を探さずに「向かう先」を決める3ステップ
    1. 1つ目|1週間の時間の使い方を書き出す
    2. 2つ目|達成感と楽しみを、それぞれ0〜10点で付ける
    3. 3つ目|点数が高かったものを、来週の予定に先に置く
    4. つまずきやすいのは、2つ目より前の段階
  6. それでも、趣味は本当に要らないのか
    1. 僕の今の趣味は、ゲームとマンガとアニメ
    2. 立派な趣味である必要はない
    3. 趣味と向かう先は、両方あっていい
  7. いちばん強い「向かう先」は、会社の外の足場になる
    1. 自分の経験を誰かに渡す形は、終わりが来ない
    2. 向かう先が収入につながると、会社が終わる日の意味が変わる
    3. 僕がトレンドブログに向かえたのは、たまたまではなかった
  8. まとめ|怖いのは趣味がないことではなく、向かう先が決まっていないこと

「趣味がない人の末路」が、こんなに検索されている理由

この言葉が検索され続けているのは、趣味の作り方を知りたいからではありません。

この章では、その検索の裏にある本当の不安を先に言葉にしてみます。ここがはっきりすると、探すものが変わります。

検索されているのは趣味そのものではなく「そのあと」

「趣味がない」と入力すると、候補には末路という言葉が並びます。ほかにも「おばさん」「性格」といった、自分を否定する方向の言葉が続きます。

まさ

たしかに、僕も「末路」まで打ってました。

趣味の始め方を調べたい人が、わざわざ「末路」とは打ちません。この言葉を打つ人が見ているのは、趣味そのものではなく、その先にある将来のほうです。

「末路」で想像されているもの
  • 定年後、毎日やることがなくて家にいる
  • 行く場所も、話す相手も減っていく
  • 何のために生きているのか分からなくなる

つまり不安の正体は、趣味の不在ではありません。予定が空いた自分がどうなるのか分からないという、その一点です。

怖いのは、空白の時間そのもの

会社に行っている間は、時間の使い方を自分で決めなくて済みます。朝は出社、日中は業務、夜は帰宅。この枠は自分で作ったものではなく、外から与えられたものです。

ひかり

決めてもらえるって、実はラクなんですよね。

問題は、その枠が外れた日に起きます。何十年も平日を外から埋めてもらってきた人が、ある日から自分で埋めなさいと言われる。これは趣味の有無というより、時間を自分で設計した経験があるかどうかの話です。

会社員時代がラクだったという話ではありません。ただ「何時に何をするか」を毎日ゼロから決めなくていい状態は、思っている以上に自分を支えています。

だから「趣味がないと詰む」という言い方は、少しずれています。正確には、向かう先を決めた経験がないまま時間だけが空くと、しんどくなります。

だから「趣味を作りましょう」では解決しない

この不安に対して、世の中の答えはだいたい同じです。「今のうちに趣味を見つけましょう」。

でも、この答えには落とし穴があります。趣味を探すという行為そのものが、新しい宿題になってしまうことです。

ひかり

好きなことを探すのが、宿題になっちゃうんですね。

趣味探しがうまくいかない人に起きること
  • 体験教室に行ってみたが、2回目の予約をしないまま終わる
  • 「これが好き」と言い切れるものが見つからず、自分は感性が乏しいと思い込む
  • 探している時間だけが過ぎて、不安は減らないまま自己評価だけ下がる

趣味は、見つかるときは勝手に見つかります。探しにいって見つかるものだけが趣味なら、そもそもこんなに多くの人が困っていません。だからこの記事では、趣味を探す方向には進みません。別の入口から入ります。

僕は会社を失って時間が丸ごと空いた。でも暇にはならなかった

ここからは僕自身の話をします。予定が外から与えられなくなる日を、僕は定年より早く経験しました。

この章を読むと、「時間が空く」というのが実際にどういう状態なのかが、想像ではなく具体で見えてきます。

34歳で独立、36歳でその会社を失った

僕は34歳で会社を辞めて独立し、36歳でその事業をたたんでいます。

のぶ

ある日から、予定表に何も入らなくなりました。

会社員なら「明日は出社」があります。経営していたときは「明日は営業」がありました。それが両方とも消えた状態です。世間でいう定年後の空白を、僕は30代で先に味わったことになります。

そのときの状況
  • 毎朝、起きる時間を決める理由がない
  • 会う約束も、行く場所もない
  • 時間だけは、これまででいちばんある

倒産そのものの話は、この記事の主題ではありません。ここで伝えたいのは時間が丸ごと空いた状態は実際に起こりうるということだけです。 会社を離れると、予定と一緒に人との接点も減っていきます。そちらの変化が気になる人は、別の記事にまとめています。

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そのとき、趣味はもう手元になかった

独立する前、僕の趣味は車でした。

ひかり

好きなものを我慢して手放したんですか?

そうではありません。独立してから仕事が生活の中心になり、車に向けていた時間が自然に薄れていったという感じです。悲しくて手放したのではなく、気づいたら離れていました。

代わりに残ったのは、家でできるものでした。外に出ていく趣味から、部屋の中で完結する趣味へ、静かに入れ替わっていた形です。

この感覚に覚えのある人は多いと思います。学生時代に夢中だったものを、今も同じ熱量で続けている人のほうが少数派です。趣味は減るのが普通で、減ったこと自体は失敗ではありません。

だから時間が空いたあの時期、僕の手元に「これがあるから大丈夫」と言えるような趣味はありませんでした。

それでも「何もすることがない」とは感じなかった

ここが自分でも少し不思議なところです。

予定がなく、趣味もなく、収入の見通しもない。条件だけ並べれば、まさに「趣味がない人の末路」で検索した人が恐れている状態そのものです。

それでも僕は、あの時期に「何もすることがない」とは感じませんでした。

暇を持て余して一日中ぼんやりしていた、という記憶がないのです。むしろ動いていました。

まさ

なんでですか? 趣味なかったんですよね?

その理由は、趣味とは別のところにありました。次の章で、その1点だけを取り出します。

差を作っていたのは、趣味ではなく「先に決めていたこと」

この章がこの記事の中心です。時間が空いても空虚にならなかった理由を、1つだけ取り出します。読み終えると、探すべきものが趣味から別のものに切り替わります。

僕には、前から考えていたことが1つあった

会社を失ったあと、僕がすぐに始めたのはトレンドブログでした。ネットで記事を書いて広告収入を得る、いわゆるネットビジネスです。

ここで大事なのは、始めたという結果ではありません。

時間が空いてから探したのではなく、空く前から「これをやってみたい」と考えていました。

つまり、時間ができた日にゼロから考え始めたわけではありません。やりたいことのほうが先に決まっていて、そこへ使える時間が後から降ってきた、という順番です。

のぶ

だから、迷う時間がほとんどなかったんです。

もし空いてから探し始めていたら、たぶん違いました。何をやるか調べて、比べて、迷って、その間に日が過ぎていく。しかもそのときの僕は、事業をたたんだ直後で、落ち着いて選べる精神状態ではありません。

僕が暇にならなかったのは、意志が強かったからでも、趣味があったからでもありません。順番が先だっただけです。

趣味は時間を「埋める」もの、向かう先は時間を「引っ張る」もの

この違いを言葉にしておきます。ここが分かると、自分に足りていないものがはっきりします。

趣味と向かう先の違い
  • 趣味 … 空いた時間を気持ちよく埋めるもの。楽しいが、無くなればまた空く
  • 向かう先 … 先に進みたい方向のこと。時間が空いたときに、そこへ引っ張られる

どちらが偉いという話ではありません。ただ、空白が怖いという悩みに効くのは、埋めるほうではなく引っ張るほうです。

ひかり

埋めるものは、無くなったらまた困りますもんね。

趣味だけを持っている状態は、実は少しもろい面があります。飽きたとき、体力が落ちたとき、一緒にやる相手がいなくなったとき、そこにあった時間がまた空白に戻るからです。

向かう先は、逆に時間があるほど進みます。空いたことが不利にならない、というのが最大の違いです。

だから探すべきは、趣味ではなく向かう先が1つあるかどうか

ここまでをまとめると、問いの立て方が変わります。

  • ×「定年までに趣味を見つけられるだろうか」
  • ○「時間が空いたとき、僕はどこへ向かうつもりだろうか」

後者に何か1つ答えられるなら、趣味が無くても空白にはなりません。逆に、趣味がいくつあっても後者に答えられないなら、不安は残り続けます。

怖いのは趣味がないことではなく、向かう先が決まっていない状態のほうです。

では、その向かう先はどうやって決めればいいのか。その前に1つ、多くの人がつまずく場所を見ておきます。

「気が向いたら始める」が、いちばんうまくいかない

向かう先を持てないまま時間だけが過ぎるのには、理由があります。

この章では、その理由を3つの角度から見ます。自分が悪いのではなく、順番の置き方に無理があったと分かるはずです。

気分が先、行動が後、の順番では動けない

「やる気が出たら始めよう」。この言い方は自然に聞こえますが、実際にはかなり難しい注文です。

まさ

気分が乗ったら、ちゃんとやるつもりなんですけどね。

気分が乗るのを待っていると、動かない日が続きます。そして動かない日が続くと、そのこと自体がさらに気を重くします。

起きやすい循環 1つ目:気が向かないので、今日はやめておく 2つ目:やらなかったことが、少しだけ後ろめたく残る 3つ目:後ろめたさがある状態では、もっと気が向かなくなる

心理療法の分野では、この循環を断つために気分より先に行動を置くという考え方が使われています。気分が上がるのを待つのではなく、小さく動いた結果として気分が後から付いてくる、という順番です。

ここで言っているのは、不調を治す方法の話ではありません。「気分と行動のどちらを先に置くか」という順番の話です。気分の落ち込みが強く続く場合は、記事の工夫ではなく専門家に相談してください。

向かう先を決めるときも同じです。心から夢中になれるものが見つかってから動くのではなく、小さく動いてみた結果として「これは続きそうだ」が分かります。

やることが大きすぎると、脳が着手を拒む

もう1つのつまずきは、最初の一歩を大きく置きすぎることです。

大きすぎる一歩の例
  • 「副業を始める」→ 何から手を付ければいいのか分からない
  • 「資格を取る」→ 勉強時間をどこから捻出するかで止まる
  • 「旅行に行く」→ 予定も予算も決まらないまま流れる

こういうときに有効なのが、行動を今すぐ1分でできるところまで枝分かれさせるやり方です。「旅行に行く」なら、「パンフレットを眺める」「行きたい宿を1つ調べる」「スマホの壁紙を目的地の写真にする」まで割ります。

のぶ

ここまで割ると、やらない理由がなくなります。

向かう先も同じ粒度まで割れます。「ブログを始める」ではなく「今日いちばん時間を忘れたことを、メモに1行書く」。これなら10秒です。

定年まで待つと、選ぶ体力が残っていない

3つ目は、タイミングの話です。

時間ができてから考えればいい、という発想は自然です。でも僕自身、時間が丸ごと空いた直後の状態を経験して思ったのは、あのタイミングで落ち着いて選ぶのは難しいということでした。

時間が空いた直後に起きやすいこと
  • 選択肢を比べる気力そのものが落ちている
  • 収入や生活のことが先に頭を占める
  • 「早く何か決めないと」という焦りで、じっくり選べない

僕の場合、迷わずに動けたのは、選ぶ作業がその時期より前に終わっていたからです。決断の体力が要る作業を、体力があるうちに済ませていたことになります。

向かう先を決める作業は、時間が空く前にやるほど軽く済みます。

つまり今、会社にいて忙しくて、趣味もなくて不安だという人は、いちばん決めやすい時期にいるということです。

趣味を探さずに「向かう先」を決める3ステップ

ここからは具体的な手順です。好きなことを思い出そうとする必要はありません。すでにやっていることの中から拾います。1週間あれば終わる作業なので、今週の分から始められます。

1つ目|1週間の時間の使い方を書き出す

最初にやるのは、探すことではなく記録することです。

1週間だけ、1時間ごとに何をしていたかを書き留めます。スマホのメモでも手帳でも構いません。

記録の書き方
  • 1行でいい(例:21時 風呂上がりにスマホでマンガ)
  • 立派なことだけ書かない。ぼんやりしていた時間もそのまま書く
  • その場で書けなければ、寝る前にまとめて思い出して書く

守るのはこの3つだけで、書き方の上手い下手は関係ありません。

ひかり

これ、面倒じゃないですか?

1日あたり数分で終わります。そして、この段階では評価をしません。良し悪しを付け始めると、書くのが嫌になって3日で止まるからです。

この段階でやってはいけないこと
  • 「こんな時間の使い方じゃダメだ」と反省を書き込む
  • 立派に見える行動を、実際より多めに書く
  • 1日抜けたことを理由に、記録ごとやめてしまう

抜けた日は空欄のままで大丈夫です。7日ぶん揃っている必要はありません。

2つ目|達成感と楽しみを、それぞれ0〜10点で付ける

1週間ぶんが溜まったら、それぞれの行動に点数を付けます。ここで使うのは2種類の点数です。

2つの軸で点数を付ける
  • 達成感(やり終えた手ごたえ)… 0〜10点
  • 楽しみ(やっている最中の心地よさ)… 0〜10点

大事なのは、この2つが同じ行動でも割れるところです。

点数が割れる例
  • 動画を見る … 楽しみ8点/達成感1点
  • 部屋の片付け … 楽しみ2点/達成感7点
  • 人に何かを教えた … 楽しみ6点/達成感8点

同じ行動でも、どちらの点数が高いかで意味がまったく変わります。

のぶ

両方が高いものが、向かう先の候補になります。

楽しみだけが高いものは、趣味として大切にすればいい。達成感だけが高いものは、義務に近い。両方が付いてくるものは、時間が空いたときに自分を引っ張ってくれる可能性があります。

3つ目|点数が高かったものを、来週の予定に先に置く

最後は、見つけて終わりにしないための手順です。

両方の点数が高かったものを1つだけ選び、来週の予定表に先に書き込みます。気が向いたらやる、にしないことがすべてです。

予定に置くときのコツは、時刻ではなく「きっかけ」に紐づけること。「もし夕食の片付けが終わったら、15分だけやる」という形にすると、思い出す手間が消えます。

この「もし〇〇したら、△△する」という決め方は、意志の力に頼らずに行動を起動させるやり方として知られています。時刻で決めると、その時刻に別の用事が入った瞬間に消えますが、きっかけで決めると生活の流れの中に残ります。

3ステップのまとめ
  • 1つ目:1週間、1時間ごとに何をしたか記録する(数分でいい・評価しない)
  • 2つ目:達成感と楽しみを、それぞれ0〜10点で付ける
  • 3つ目:両方が高かったものを1つ選び、きっかけに紐づけて来週の予定に置く

つまずきやすいのは、2つ目より前の段階

実際にやってみると、多くの人が止まるのは点数付けではありません。

まさ

たぶん僕、記録の3日目で挫折しますね…

よくあるつまずき
  • 記録している最中に評価を始めてしまい、書くのがつらくなる
  • 「どうせ大した時間の使い方をしていない」と決めつけて、記録前にやめる
  • 候補を1つに絞れず、3つとも予定に入れて全部こなせなくなる

いずれも、探すことと選ぶことを同時にやろうとして起きます。1週間はただ書くだけ、点数はあとからまとめて、選ぶのは1つだけ。この3つを分けると、最後まで通ります。

それでも、趣味は本当に要らないのか

ここまで「趣味より向かう先」と書いてきましたが、趣味を捨てろという話ではありません。この章で、僕自身の現在地も含めて正直なところを書いておきます。極端に振らずに着地させるための章です。

僕の今の趣味は、ゲームとマンガとアニメ

正直に書くと、今の僕には趣味があります。

のぶ

ゲームと、マンガと、アニメです。

車に乗っていた頃と比べると、ずいぶん家の中で完結するようになりました。でも、無いわけではありません。だからこの記事は「趣味がない人が書いた記事」ではなく、外に出る趣味が無くなった人が書いた記事です。

ここをぼかして「僕も趣味がありません」と書いたほうが、読者との距離は近くなります。ただ、それは事実と違うので書きません。この記事で言いたいのは、趣味が無いことの正当化ではなく、空白への不安の正体が別のところにある、という一点です。

立派な趣味である必要はない

「趣味は何ですか」と聞かれて答えにくいのは、趣味が無いからではなく、答えにふさわしいものを探してしまうからかもしれません。

趣味らしい趣味だと思われがちなもの
  • 登山、釣り、キャンプなど、外に出て体を使うもの
  • 楽器、絵、写真など、作品が形に残るもの
  • 人に説明したときに「いいですね」と返ってくるもの

この基準で自分の時間を採点すると、ほとんどの人が不合格になります。動画を見る、ゲームをする、マンガを読む。これらは趣味として数えてもらえないことが多いからです。

まさ

たしかに、堂々と言いにくい気はします。

でも、人に説明できるかどうかと、自分の時間が充実しているかどうかは別の話です。説明のしやすさで選んだ趣味は、だいたい続きません。

趣味と向かう先は、両方あっていい

結論としては、どちらかを捨てる必要はありません。

ひかり

趣味をやめて副業しろ、という話じゃないんですね。

むしろ両方あるほうが自然です。役割がまったく違うので、片方がもう片方の代わりにはなりません。

  • 趣味は、今の時間を心地よくするもの
  • 向かう先は、時間が空いた日に自分を引っ張るもの
  • 役割が違うので、両方あるのがいちばん強い

ただし、今あなたが感じている不安が「この先、予定が空いたらどうしよう」という種類のものなら、先に決めるべきは向かう先のほうです。この優先順位だけは崩さないほうがいいと思っています。

いちばん強い「向かう先」は、会社の外の足場になる

最後に、向かう先の中でも特に長持ちするものについて書きます。

この章を読むと、なぜ僕が「会社にいるうちに1つ持っておけ」と繰り返すのかが分かります。

自分の経験を誰かに渡す形は、終わりが来ない

向かう先はいくつもありますが、年齢で打ち切られないものは限られています。

年齢で終わりが来にくい向かう先
  • 自分がやってきた仕事の知識を、同じ場所にいる人へ渡す
  • 遠回りした経験や失敗を、これからする人に先回りして伝える
  • 体力ではなく、判断や段取りを使う活動

40代・50代からの充実は、自分の利益だけを追う状態から、自分の経験を次の誰かへ渡す方向へ生き方の重心が移ったときに上がる、という考え方があります。

ひかり

教えられるほどのものなんて、ない気がします。

そう感じる人がほとんどですが、渡す相手は専門家ではありません。3年前の自分です。3年前の自分が知りたかったことなら、今のあなたは確実に持っています。

向かう先が収入につながると、会社が終わる日の意味が変わる

もう1つ、正直な話をします。向かう先が少しでも収入につながると、空白への不安はさらに小さくなります。

同じ「定年の日」でも、意味が変わります
  • 向かう先が無い場合 … 予定が消える日
  • 向かう先がある場合 … そちらへ時間を移す日

会社が終わる日が、空白ではなく移行になるということです。

ただし、すぐに収入になるとは限りません。僕自身、ネットで稼げるようになるまでには時間がかかりましたし、思うように伸びなかった時期もあります。成果には個人差があるので、収入を前提に生活設計をしないでください。ここで言っているのは、向かう先が1つあると、その日の意味が変わるということです。

僕がトレンドブログに向かえたのは、たまたまではなかった

この記事の話を、もう一度ここで結びます。

僕が時間の空いた日に迷わなかったのは、才能でも運でもありません。前から考えていたことが1つあったからです。

読者が真似できるのは、僕が選んだ中身ではなく「空く前に1つ決めておく」という順序のほうです。

トレンドブログが正解だったわけではありません。僕にとってはそれがたまたま手近だっただけで、同じ位置に別のものが入っていても成立したはずです。

のぶ

中身は何でもいい。順序だけが効きました。

会社を出る前に別のプランを持っておけばよかった、というのは僕が独立と倒産を通して今いちばん強く思っていることです。その後悔は、定年後の空白を心配している人の悩みと、実は同じ形をしています。

その「別のプラン」を会社にいるうちにどう棚卸ししておくか。手順を4つのステップにして、有料note(500円)にまとめました。
「起業に失敗したら人生終わり」は本当か。面接に落ち続けた僕が見つけたもう一つの道

まとめ|怖いのは趣味がないことではなく、向かう先が決まっていないこと

この記事のまとめ
  • 「趣味がない人の末路」が怖いのは、趣味の不在ではなく、予定が空いた自分が想像できないから
  • 向かう先は、時間が空く前に1つ決めておくほど軽く決まる
  • 決め方は「1週間記録する → 達成感と楽しみを0〜10点で付ける → 1つだけ予定に置く」の3ステップ

趣味を探さなくていい、と言われて少し肩の力が抜けたなら、それがこの記事のいちばん伝えたかったことです。

今日の夜、最初の10秒でやること スマホのメモを開いて、「今日やったことで、いちばん時間を忘れたもの」を1行だけ書く。それだけで、1つ目のステップは始まっています。

最後に、手順とは別の角度の話を1つだけ置いておきます。

ここまでで「向かう先をどう決めるか」の手順は持ち帰れたはずです。 ただ、そもそもなぜ僕たちはここまで「趣味を作れ」と言われ続けるのか。 その違和感のほうは、noteに書きました。手順ではなく、前提を疑う話です。
車の趣味が薄れ、会社も失った。それでも暇にならなかった僕の順番