【フリーランスの案件が減ったら】やめる前に持ちこたえる月数を出す
先月より、案件が少ない。
来月は、もっと少ないかもしれない。そう思いながら、今日も応募の画面を開いている。
仕事がゼロではないけど、このまま減り続けたらと思うと…
フリーランスの案件が減り始めた時期は、気づきにくいピンチかもしれません。まだ仕事はあるし、貯えも少しは残っている。だから「そのうち戻るだろう」と様子を見ているうちに、時間だけが過ぎていきます。
でも、貯えと時間が残っている今のうちなら、まだ打てる手があります。
僕は、それができなかった側です。案件が終わったとき、仕事を受けていた場所ごとやめてしまいました。だからこの記事では、やめる前に決めておけばよかった順番を書きます。
- 案件が減り始めたとき、自分の減り方がどちらの型かを見分けられる
- 我慢の節約に入る前に、固定費から持ちこたえる月数を延ばす順番が分かる
- 今の仕事のまま、別のジャンル・取引先・場所へ入口を散らす考え方が分かる
- 「やめるかどうか」を、案件が終わった日ではなく先に決めた日に判断できるようになる
フリーランスの案件が減り始めた時期は、気づきにくいピンチかもしれない

案件が減り始めたばかりのころは、まだ仕事が残っています。そのぶん、手を打つのが遅れやすい時期でもあります。
この章では、今の自分がどのくらい当てはまるのかを、3つのサインで確かめていきます。
当てはまるサイン3つ
次の3つのうち、いくつ当てはまるか数えてみてください。
- 受けていた案件が終わって、次がまだ決まっていない
- 収入の入口が、1つの取引先か1つのジャンルに偏っている
- 焦って、応募や提案の数だけが増えている
1つ当てはまるだけなら、よくある波の1つかもしれません。
ただ、当てはまる数が多いほど、今の減り方は放っておくと戻しにくい形になっているかもしれません。
特に2つ目の「入口が1つに偏っている」は、減り始める前から抱えていることが多いサインです。その1つが止まったとき、収入の全部がまとめて揺れます。
取引先が1社だけだと、そこが止まったら全部止まっちゃうんですね
「そのうち戻る」で過ぎていく時間
案件が減ったとき、多くの人がまずとるのは「少し様子を見る」という動きです。
それ自体は悪いことではありません。ただ、様子を見ているあいだにも、次のものは少しずつ減っていきます。
- すぐに使える貯え(毎月の生活費の分だけ)
- 次の手を試すために使える時間
- 「まだ大丈夫」と思える気持ちの余裕
どれも、ゼロになってからでは取り戻しにくいものです。だから、残っているうちに順番を決めておきます。
戻るのを待つ前に、決めておくことがあるってことか
「AIで案件が減った」という声も増えている
「フリーランス 案件 減った」で検索すると、AIの影響を挙げる記事がたくさん出てきます。文章・翻訳・イラストなど、AIが得意な仕事ほど、そう感じている人が多いようです。
減った理由がAIでも、取引先の事情でも、自分の側の問題でも、最初にやることは同じです。
理由を突き止めようとして手が止まるより、先に「あと何か月持つか」と「次の入口」を考えたほうが、打てる手は増えます。
理由は、動きながら分かってくることもあります。
減り始めた今だからこそ、打てる手がある

前の章ではピンチの話をしましたが、ここからが本題です。案件が減り始めたばかりの今は、実は立て直しにいちばん向いている時期でもあります。
この章では、その理由と、僕自身がその時期をどう過ごしてしまったかを書きます。
貯えと時間が残っているうちは、順番を決められる
仕事が完全になくなってからだと、選べる手はぐっと減ります。生活費のことで頭がいっぱいになって、次の入口を試す時間も気力も残りにくいからです。
減り始めたばかりの今なら、まだこれだけのものが残っています。
- すぐに使える貯え
- 今ある仕事の実績と、続いている取引先
- 次の入口を試すための時間
この3つが残っているうちは、「先に守る」「そのあと攻める」という順番を、自分で決めて動けます。
減り始めは、ピンチであると同時に、立て直しの条件がそろっている最後の時期かもしれません。
順番さえ決まっていれば、焦りがあっても、次に何をするかで迷う時間は減ります。
まだ残ってるうちに、順番を決めておくのか
僕は、案件が終わったときにやめた側
偉そうに書いていますが、僕はこれができませんでした。
一人で働くようになってから、クラウドワークスで記事の仕事を受けていた時期があります。その案件が終わったとき、僕はそのままクラウドワークスをやめています。

案件が1つ終わっただけなのに、場所ごと手放していました
収入が落ちていった時期に、固定費は削りました。守りの手は打っていたことになります。
今振り返ると、減り始めた時点で、ほかのジャンルの仕事も、1つずつ試しておけばよかったと思っています。
だからこの記事は、僕がうまく立て直した話ではありません。やめる前に決めておけばよかった順番を、ここからの章で書いていきます。
案件が減ったときに、やりがちな2つ

減り始めに手を打つ前に、避けたい動きを先に知っておくと迷いが減ります。
この章では、案件が減ったときに取りがちな2つの動きと、それぞれのどこがまずいのかを見ていきます。
その場で全部やめる
案件が1つ終わる。次の依頼はまだ来ていない。その日のうちに「もうここでは仕事が取れない」と決めて、仕事を受けていた場所ごと手放してしまう。
1つ終わっただけで、全部ダメな気がしてくるんだよな
でも、この2つは同じではありません。
- 案件が1つ終わったこと
- その場所で、もう仕事が取れなくなったこと
案件が終わった日は、数字がいちばん悪く見える日です。その日に「続けるか、やめるか」まで決めると、そのときの気分がそのまま答えになりやすい。僕がやってしまったのも、これに近い形でした。
案件が終わった日は「記録だけして、決めるのは別の日」にする。
焦って、何でも同時に始める
もう1つは、逆の方向の動きです。減った分を早く埋めたくて、別のジャンルにも、別のサイトにも、新しい稼ぎ方にも、一度に手を出してしまう。
あれもこれもやれば、どれか当たりそうな気がしますよね
副業や独立の失敗例として、いちばん多く挙がるのがこの形です。複数のジャンルに同時に手を出すと、どれも覚えかけのところで止まって、実績が1つも残らないまま時間が過ぎていきます。
動かすのは1つずつ。期間を区切って、終わってから次へ。
この2つは、どちらも減ったその場の焦りで「全部」を決めてしまっています。だから次の章からは、焦りで決めないための順番を、守りと攻めに分けて書いていきます。
減り方には2種類ある(フリーランスの仕事がないとき、最初に見ること)

守りと攻めに入る前に、1つだけ確かめておくことがあります。それは、自分の減り方がどちらの型なのかです。
この章を読むと、次の章からの打ち手を、自分の型に合わせて選べるようになります。
全体が少しずつ減っている
1つ目は、どの取引先からも、どのジャンルからも、同じように少しずつ減っている型です。
どこか1つが悪いわけじゃなく、全部がじわじわ減ってる感じだ
この型は、どこか1か所を直せば戻る、という話になりにくいのが特徴です。
全体型の人は、今の入口の外に、新しい入口を足す候補を多めに出します。
1つの取引先・ジャンルが止まった
2つ目は、特定の取引先やジャンルだけが、ほぼゼロになった型です。ほかの入口はそれほど変わっていないのに、止まった1つの分だけ収入がまとめて減っています。
大きな取引先が1つ抜けると、一気に減ったように見えますね
この型は、減った理由がはっきりしていることが多い。そのぶん、打ち手も考えやすくなります。
1つ止まった型の人は、止まった入口にいちばん近い入口(同じジャンルの別の取引先など)を探すところから始めます。
どちらの型かで、次の打ち手が変わる
型を見分ける方法はシンプルです。直近6か月の収入を、月ごと・入口ごとに並べてみるだけです。
- いつから減ったか(前の月より少なくなった最初の月)
- どの入口が減ったか(減った金額がいちばん大きい入口)
- 何割減ったか(直近の月と、減る前の数か月の平均を比べる)
ここで大事なのは、理由を考えすぎないことです。なぜ減ったのかはあとから分かることもあるので、まずは「どこが・いつから・どれだけ」が見えれば十分です。
書き出すためのシートと、型ごとの打ち手の出し方は、記事の最後で紹介する手順書にまとめています。ここでは、自分がどちらに近いかだけ見当をつけておいてください。
仕事がない月は、我慢の節約より固定費から

ここから守りに入ります。案件が減ると、まず食費や日用品を削りたくなりますが、先に手をつけるのは固定費です。
この章を読むと、何から削れば「持ちこたえる月数」が延びるのかが分かります。
削る順番は、通信 → サブスク → 保険 → 光熱費
固定費は、一度手続きすれば毎月同じ額が浮き続けます。一人で働く人に効きやすいのは、次の順番です。
- 通信費:スマホのプランを確かめる。高いプランのままなら、安いプランや格安SIMへ移れないかを見る
- 使っていないサブスク:引き落としを3か月分並べて、使っていないものを解約する
- 保険:保障の中身と保険料を書き出し、特約が重なっていないか確かめる
- 光熱費:電気・ガスの契約先とプランを比べる
資料上の目安では、独身の人の固定費の削減余地は最大18%、年間で12万〜15万円ほどとされています。
※2026年時点の資料による一般的な目安です。実際に削れる額は、契約の内容によって大きく変わります。
通信費・サブスク・保険それぞれの見直し方は、別の記事で1つずつ詳しく書いています。
固定費をどこから、どう削るかを詳しく知りたい方はこちら
持ちこたえる月数を知っておく
固定費を削る前と後で、一度ずつ計算しておきたいのが「持ちこたえる月数」です。
持ちこたえる月数 = すぐ使える貯金 ÷ 1か月の生活費
生活を守るための貯え(生活防衛資金)の目安は、資料では「会社員なら月収の3か月分、自営業なら6か月分」とされています。僕は、生活費を常に3か月分以上は確保するようにしています。
6か月分なんて、ちょっと届かないかも…
6か月に届いていなくても大丈夫です。大事なのは、自分が今何か月持つのかを知っていることです。月数が分かれば、その中で動く計画が立てられます。
僕も固定費は削った
収入が落ちていった時期に、僕も固定費を削りました。何をどれだけ削ったかまでは書きませんが、守りとして手をつけたのはここでした。
毎日我慢するより、一度の手続きで済むほうが楽ですね
食費や日用品を毎日我慢して削る節約は、気持ちの負担が大きくて長続きしにくいとされています。減っている時期ほど、気力は次の章の「攻め」のほうに残しておきたいところです。
守りの順番:固定費を削る → 持ちこたえる月数を出し直す → その月数の中で攻めを試す
仕事が途切れたら、今の仕事の「入口」を散らす

ここから攻めに入ります。案件が途切れたとき、いきなり新しい稼ぎ方を探す前に、まずやれることがあります。
この章を読むと、今のスキルのまま、仕事が入ってくる入口を1つに頼らない形にする考え方が分かります。
別のジャンル・別の取引先・別の場所
入口とは、お金が入ってくる元のことです。散らす方向は、大きく3つあります。
- 別のジャンル:同じスキルのまま、扱う題材を変える
- 別の取引先:同じジャンルのまま、依頼主を増やす
- 別の場所:仕事を受ける場所を変える(別のクラウドソーシング、紹介、自分の発信など)
前の章で「1つの入口が止まった型」だった人は、止まった入口にいちばん近い方向から考えます。「全体が少しずつ減っている型」の人は、3つの方向から均等に候補を出します。
新しいことを始めるより、今の延長で考えるのか
今のスキルに、これまでの経験を掛け合わせる
候補が思いつかないときは、今のスキルに、これまでの経験を1つ掛け合わせてみます。
- 今のスキル × 前の仕事で詳しくなったこと
- 今のスキル × 長く続けている趣味
- 今のスキル × 自分が実際に困って調べたこと
1つのスキルだけで上位を目指すより、ありふれたスキルどうしを掛け合わせたほうが、ほかの人と比べられにくい立ち位置を作りやすいとされています。
実績は「目的→施策→成果→学び」で書き直す
新しいジャンルや取引先に応募するときは、これまでの実績の見せ方で通りやすさが変わります。
実績は「目的 → 施策 → 成果 → 学び」の4段に分けて書き直しておく。
この形にしておくと、ジャンルが違う依頼主にも「同じやり方を自分の仕事にも使えそうだ」と伝わりやすくなります。
実績が少なくて、応募で何を書けばいいか迷っている方はこちら
場所を増やすなら、発信も入口になる
3つ目の「別の場所」には、自分の発信も入ります。ブログやSNSで発信しておくと、一度に多くの人へ自分の仕事を見せる入口になります。
営業が苦手な人でも、発信なら始めやすそうですね
僕も今は、ブログやSNSでの発信を入口にしています。
営業で何を言えばいいか分からず、手が止まっている方はこちら
僕が試しておけばよかったのは、ほかのジャンル
今振り返ると、減り始めた時点で、ほかのジャンルの仕事も1つずつ試しておけばよかったと思っています。
この章の方向は、僕が実際にやって立て直したものではありません。やっておけばよかったと思っていることを、考え方の形にしたものです。
やめるかどうかは、案件が終わった日ではなく「判断の日」に決める

守りと攻めの手が見えたら、最後に決めておくのは「動き方」です。
この章を読むと、焦りに引っぱられずに、続けるかやめるかを決める日を先に置けるようになります。
同時に動かすのは1つだけ
前の章で入口の候補をいくつか出したら、最初に試すのは1つだけにします。
減ってるときこそ、全部いっぺんにやりたくなるけどな
資料では、1つのジャンルに半年ほど集中してから横に広げる、という順番がすすめられています。一方で僕は、ほかのジャンルの仕事も試しておけばよかったと思っています。
両方をつなぐと「複数を試す。ただし同時にではなく、1つずつ順番に」になります。
同時に動かすと、どれが効いたのかも、どこで止まったのかも分からなくなります。1つずつなら、次に何を試すかを結果から選べます。
試す期間は、持ちこたえる月数の内側に
試す期間は、守りの章で出した「持ちこたえる月数」より短く置きます。期間が終わったあとに、次の候補を試す余白を残すためです。
- 試す期間(持ちこたえる月数より短く)
- 判断の日(期間の最後の日。カレンダーに先に入れる)
- 判断の日に見るもの(応募や提案の数・返事の数・依頼の数・入ってきた金額)
案件が終わった日に気持ちが揺れても、決めるのは判断の日です。その日まで、終わった案件は記録に1行足すだけにしておきます。
「いつ決めるか」を先に決めておけば、その日までは迷わずに手を動かせます。
2本目の柱は、落ち着いてからで間に合う
入口を散らしているうちに、「いっそ別の柱を作ったほうが早いのでは」と思う日も来るかもしれません。
新しい柱を作るのは、今じゃなくていいんですね
2本目の柱は、1本目の入口が散って、持ちこたえる月数に余裕ができてからで間に合います。減っている最中に柱まで増やそうとすると、前の章の「何でも同時に始める」と同じ形になりやすいからです。
減り方が落ち着いたあと、消えない不安とどう付き合うかを知りたい方はこちら
まとめ:案件が減ったら、やめる前に月数と入口を数える

最後に、この記事の要点を3つに絞って振り返ります。読み終えたあと、今日何から始めればいいかが分かるようにまとめました。
この記事の要点3つ
- 減り方の型を見る(全体が減っているのか、1つの入口が止まったのか)
- 固定費から削って、持ちこたえる月数を延ばす
- 今の仕事の入口を1つずつ散らし、続けるかどうかは判断の日に決める
フリーランスの案件が減り始めた時期は、気づきにくいピンチかもしれません。でも、貯えと時間が残っている今のうちなら、順番を決めて動けます。
まずは今日、何か月持つかを出してみるか
今日やることは1つだけです。すぐ使える貯金を、1か月の生活費で割ってみてください。5分あれば終わります。
次の一歩
ここまでで、案件が減ったときに何をどの順番で考えればいいかは見えたはずです。ただ、実際に手を動かすときは、書き出すシートや表があったほうが迷いません。
その手順を、4つの表つきの手順書にまとめました。
減り方シート・固定費の棚卸し表・入口の散らし候補表・試す順番と判断の日の表。この4つを使って、減ったと気づいたその日から、守り2つと攻め2つの順番で立て直す手順書です。
▶ 【仕事の依頼が減ったら】固定費と1本目の入口を立て直す4ステップ
※紹介している削減の目安や貯えの月数は一般的な目安で、成果を保証するものではありません。結果には個人差があります。
