新NISAの暴落が怖い人へ|見ないだけでは足りない
「今日、また下がってる」
株価が急落したというニュースが流れた日。証券口座のアプリを開いて、減った数字をちらっと見て、すぐ閉じる。そんな日が何度も続いたことはありませんか。
売った方がいいのか、このまま持つべきなのか分からない
売るか、持つか。答えが出ないまま、時間だけが過ぎていきます。
僕は新NISAはやっていません。でも、株式投資で暴落は経験しています。
30代の会社員だったころも、独立してからも。そのときやったのは、よく言われる「見ない・触らない・放っておく」でした。半年ほど、そのとおりにしました。
それでも最後は、売りました。多少戻ってきたところで、損を確定させています。
なぜ耐えられなかったのか。そして次に同じ日が来たとき、何を先に決めておけばいいのか。この記事で書いていきます。
- 暴落で売ってしまう本当の引き金が、恐怖ではなく別のところにあると分かる
- 「見るな・触るな・放っておけ」で防げること、防げないことを区別できる
- 暴落が来る前に決めておく3つを、自分の生活費の金額に当てはめて書き出せる
- 下がっている最中に判断してはいけない理由を、自分の言葉で説明できる
暴落のニュースが流れた日、本当に困るのは「減ったこと」ではない

資産が減るのは、たしかにつらいことです。でも実際にあの局面に立つと、心を削ってくるのは減った金額そのものではありません。自分が今、何をすればいいのか分からないという状態のほうです。この章では、その正体を言葉にしていきます。
口座を開くのが怖くなる、あの感覚
暴落が始まると、行動のパターンが決まってきます。アプリを開く、数字を見る、何もせずに閉じる。しばらくしてまた開く。この繰り返しです。
- 開く → 減った数字を見る → そっと閉じる
- 数時間後、また気になって開く
- 何も決められないまま、その日が終わる
不思議なもので、見ても何も変わらないと分かっているのに、見ずにはいられないんですよね。仕事中も、食事中も、頭のどこかに「今どうなっているんだろう」が居座り続けます。
数字を見たいわけじゃないのに、気づくとアプリを開いちゃう
そう、見たいわけではないんです。ただ、決められないから確かめにいく。この往復そのものが、じわじわ体力を奪っていきます。
検索して出てくる答えは、だいたい同じ3つ
そこで多くの人がやることは決まっています。「新NISA 暴落」「暴落 どうする」と検索することです。
ところが出てくる答えは、どのサイトを開いてもだいたい同じ3つに落ち着きます。
- 見ない(口座を開かない)
- 触らない(売買しない)
- 放っておく(積立を止めない)
この3つは間違っていません。むしろ正しいです。正しいからこそ、どのサイトにも同じことが書いてあります。
ただ、読み終えたあとに残るのは「じゃあ、この不安な時間をどう過ごせばいいんだろう」という感覚ではないでしょうか。僕もそうでした。
一番損をするのは、下がっている最中に売った人
なぜどのサイトも「触るな」と言うのか。理由ははっきりしています。下がっている最中に売る行動が、資産へのダメージとしては一番大きいからです。
これは狼狽(ろうばい)売りと呼ばれます。恐怖に耐えきれず、値下がりしている途中で手放してしまうことです。
まとまったお金を一度に投資へ入れたあとで相場が下がると、この狼狽売りが起きやすくなります。退職金をそのまま一括投資するのが危ないと言われるのは、金額が大きいぶん、下がったときの精神的な負荷も大きくなるからです。
つまり「見るな・触るな・放っておけ」という助言は、この一番大きな失敗を防ぐために言われているわけです。
ここまでのポイント 暴落でつらいのは「減った金額」ではなく「何をすればいいか分からない時間」。そして一般的な助言は、その時間の過ごし方までは教えてくれない。
では、この助言に従えば本当に乗り切れるのか。次の章で、そこを掘り下げていきます。
「見るな・触るな・放っておけ」は正しい。でも足りない

先に言っておきたいことがあります。この助言そのものは、否定しません。むしろ守ったほうがいいものです。
ただ、これを実行しても不安は消えなかった——僕はそちら側の人間でした。この章では、正しいはずの助言に何が足りないのかを整理します。
この助言が正しい理由は、はっきりしている
前の章で書いたとおり、資産に一番ダメージを与えるのは、下がっている最中に売ることです。
だから「見ない・触らない・放っておく」は、一番大きな失敗だけを確実に潰しにいく助言として理にかなっています。
- 恐怖にかられて、底値付近で手放してしまうこと
- 毎日の値動きに反応して、売り買いを繰り返すこと
- 不安を消したくて、積立そのものを止めてしまうこと
ここを守れるかどうかで結果が変わるのは、間違いありません。だからどのサイトにも同じことが書いてあるわけです。

まずここを守る。それは僕も同じ意見です
足りないのは、「何をするか」が一つも書かれていないから
問題はその先にあります。あらためて3つを並べると、あることに気づきます。
- 見「ない」
- 触ら「ない」
- 止め「ない」
並べてみると、共通点がはっきりします。
全部、「やらないこと」しか書かれていません。
やらないことのリストを渡されても、待っているあいだの時間の過ごし方は何も変わらないんですよね。不安が消えるわけでもありません。
何もするなと言われても、頭からは離れないんですよ
そうなんです。手は動かさずに済んでも、頭は動き続けます。そしてこの状態が長引くと、じわじわ削られていきます。
僕は実際に、そのとおりにやった側です
ここで自分の話をします。僕は新NISAはやっていませんが、株式投資で暴落は経験しました。時期は30代の会社員だったころと、独立してからの両方です。
そのときにやったのは、まさにこの助言そのものでした。
- 口座のアプリを、なるべく開かないようにした
- 売買は一切しなかった
- 値動きのニュースも、意識的に避けた
意志が弱くて売ってしまった、という話ではないんです。言われたとおりに、ちゃんとやりました。
つまりここから先の話は、「助言を守らなかった人の失敗談」ではありません。守った人が、それでも手放したという話です。
では、どれくらい耐えたのか。そして最後になぜ売ったのか。次の章で書きます。
半年間、画面を見なかった。それでも僕は売った

ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。うまくいった話ではありません。正しいとされる方法を実行して、それでも最後は手放したという話です。同じ局面にいる人ほど、ここは知っておいて損がないと思います。
見ないでいられたのは、最初のうちだけだった
期間でいうと、体感で半年ほどでした。その間、口座はほとんど開いていません。
ただ、正直に書きます。見ない習慣は作れても、頭からは消えませんでした。
- 見ていないだけで、状況が良くなっているわけではないと分かっている
- ニュースを避けても、どこかから相場の話は入ってくる
- 「今どうなっているんだろう」が、ふとした瞬間に割り込んでくる
仕事の合間にも、寝る前にも、その考えが浮かんできます。見ないと決めたぶん、確かめようがなくて余計に気になる、という状態です。
見ないほうが落ち着くと思ってたのに、逆に気になっちゃうんですね
そうなんです。行動としては「何もしていない」のに、頭のなかだけは休みがありませんでした。
多少は戻ってきた。それでも売った
しばらくして、相場は多少戻ってきました。全部戻ったわけではありませんが、下がりきった時期よりはマシになった、という状態です。
普通に考えれば、ここは「耐えた甲斐があった」となる場面です。実際そう書いてある記事もたくさんあります。
でも僕は、その戻ってきたところで売りました。損を確定させています。
耐えれば報われた、という結末ではありませんでした。半年見ないようにして、戻り始めたところで手放した。それが実際に起きたことです。
ここを「本当は持ち続けるべきでした」と反省で締めることもできますが、それだと何も残らないと思っています。大事なのは、なぜ売ったのかのほうです。
決め手は、損の恐怖ではなく「待ち続けること」への疲れだった
では、なぜ売ったのか。ここを自分でも後から考えました。
暴落の記事にはたいてい「恐怖に負けて売ってしまう」と書かれています。でも僕の場合、怖くて売ったのではありませんでした。
プラスになるまで待ち続けることが、しんどかったんです。単純に、疲れました。
いつ戻るのか分からない。あと1年なのか、3年なのか、誰も教えてくれない。その状態を抱えたまま日常を送ることに、少しずつ耐えられなくなっていきました。
たしかに、いつまで我慢すればいいのか分からないのがきついかも
その感覚です。金額の大小より、終わりが見えないことのほうが効いてきます。
売ってしまう引き金は「恐怖」ではなく、「先が見えないまま待ち続ける状態」そのものだった。 だから、我慢の量を増やしても解決しない。
我慢は、意志の強さと関係なくいつか切れる
ここで言いたいのは、自分を責める必要はない、ということです。
我慢は消耗品みたいなもので、使い続ければ減っていきます。強い人でも、期間が長くなればいつかは切れます。
- 耐えられなかったのは、意志が弱いからではない
- 引き金は恐怖ではなく、終わりが見えない状態への疲れ
- したがって「もっと我慢する」は対策にならない
では、何が本当の対策になるのか。次の章から、そこに入っていきます。
売らせているのは恐怖ではなく、資金繰りの不安

前の章の話は、僕だけに起きたことではないと思っています。同じ構造は誰にでも起こります。
この章では、なぜ待ち続けることがあれほどつらくなるのかを分解します。ここが分かると、次の章の対策が「なぜそれなのか」まで腑に落ちるはずです。
前提として、人は得より損を大きく感じる
まず土台の話をします。人には、同じ金額でも増えたときの喜びより、減ったときの痛みを大きく感じるという傾向があります。
- 10万円増えたときの「やった」より
- 10万円減ったときの「まずい」のほうが、心に残りやすい
これは性格の問題ではなく、財産を守ろうとする自然な反応です。だから暴落の画面を見て動揺するのは、正常なことなんですよね。
動揺する自分がダメなのかと思ってました
そう思ってしまう人は多いのですが、逆です。まったく動じないほうが珍しいくらいです。
でも、本当に手を離させるのは別のもの
ここからが本題です。恐怖はきっかけではありますが、売る決断そのものを押し切る力としては、実はそれほど強くありません。
僕の場合、最後に効いたのは「この先いくら必要になるか分からない」という感覚のほうでした。
- 相場がいつ戻るか分からない
- そのあいだに、まとまったお金が要る場面が来るかもしれない
- そのときこの資産に手をつけるしかないなら、今売っても同じではないか
3つ目までいくと、もう相場の話ではなくなっているのが分かると思います。
生活のお金と投資のお金が地続きになっていると、相場を待つことが「生活の不安を待つこと」に変わります。
そうなると、待つ時間が長引くほど心がもちません。恐怖ではなく、資金繰りの不安が背中を押してくるわけです。
売らずに済む人は、売らなくていい状態を先に作っている
逆に言えば、暴落が来ても平気そうな人は、我慢が強いわけではありません。売らなくてもいい状態を、下がる前に用意しているだけです。
資産形成の世界には「バケツ戦略」という考え方があります。全部の資産をひとまとめにせず、使う時期ごとに分けて置いておく方法です。
- 短期バケツ:1〜3年分の生活費 → 普通預金・定期預金・個人向け国債など元本保証の現金
- 中期バケツ:4〜7年先に使う資金 → 債券やバランス型など値動きの緩やかなもの
- 長期バケツ:8年より先まで使わない資金 → 全世界株式やS&P500などのリスク資産
大事なのは短期バケツです。暴落が来ても、生活費はこのバケツから出せる。だから株を売る必要がありません。
この章のポイント 動揺するのは正常。問題は、生活のお金と投資のお金が地続きになっていること。先に切り分けておけば、「待つ」ことが生活の不安と結びつかなくなる。
つまり必要なのは、もっと強い意志ではなく先に決めておく段取りでした。次の章で、その中身を3つに整理します。
耐える前に決めておく3つのこと

ここからが実行パートです。難しいことはしません。暴落が来る前に、紙に3つ書いておくだけです。
この章を読み終えるころには、自分の生活費の金額を当てはめて、その3つを書き出せる状態になります。
①生活費の何年分を、現金のまま置いておくか
1つ目がいちばん大事です。前の章の短期バケツにあたる部分で、ここが埋まっていれば、暴落中に株を売る理由がほぼ消えます。
目安は1〜3年分の生活費。置き場所は、値動きのない普通預金・定期預金・個人向け国債などです。増やす場所ではないので、利回りは気にしなくて構いません。
- ひと月の生活費 → ____円
- × 12ヶ月 = 1年分 → ____円
- × 24ヶ月 = 2年分 → ____円
- × 36ヶ月 = 3年分 → ____円
会社員で収入が安定しているなら1年分から、収入に波がある働き方なら3年分に寄せる、という決め方で十分です。
3年分って、けっこうな金額になりますね
そうなんです。だからいきなり満額を用意しようとしなくていい。まず1年分を目標にして、そこに届くまでは投資に回す金額のほうを抑える、という順番にします。
もし僕がもう一度あの局面を迎えるなら、まずここをやります。生活費を別に確保しておいて、そのうえで下がっても持ち続ける。
②投資に回すのは「使う予定がない」と言い切れるお金だけにする
2つ目は、下がっても持ち続ける対象を、金額ではなくいつ使うお金かで線引きすることです。
「30%下がったら売る」のような金額の基準は、実際に下がっている最中には守れません。僕が守れなかったのも、そこに理由があります。
- 1〜3年以内に使う → 現金のまま(①で確保した分)
- 4〜7年先に使う → 債券やバランス型など、値動きが緩やかなもの
- 8年より先まで使わない → 全世界株式やS&P500などのリスク資産
この線引きができていると、暴落の日に考えることが1つに減ります。「これは8年先まで使わないお金だ」——それだけです。

判断を増やさないことが、待てる時間をつくってくれます
③比率が崩れたら、売らずに新規の買付でならす
3つ目は少し実務的な話です。相場が動くと、資産の比率も崩れます。このとき売って調整しないのがポイントです。
理由は新NISAの仕組みにあります。新NISAでは売却しても、その非課税の枠が復活するのは翌年以降です(2026年9月時点の制度)。つまり売って買い直すと、その年の枠を無駄に使ってしまいます。
比率を戻したいときに売却から入ると、非課税枠を減らしたうえに、下がっている資産を手放すことになりかねません。「売らずに直す」を先に知っておいてください。
やり方はシンプルです。
- 目標の比率から5%以上ずれているかを確認する
- 比率が増えすぎた側は、毎月の積立を一時停止するか減額する
- 比率が減った側に、毎月の買付を集中させる
- この設定のまま6〜12ヶ月続けて、少しずつ元の比率へ戻す
売買の判断を増やさずに済むので、暴落中でもやることが「設定の変更」だけになります。手が止まらない、という意味でもこれは効きます。
- 生活費の何年分を、現金のまま置いておくか(金額まで書く)
- 投資に回すのは、何年先まで使わないお金か
- 比率が崩れたときは、売らずに買付で戻す(設定の手順まで決めておく)
ここまでが「持ち方」の話です。次はもう一段手前、お金の入れ方で防げることを書きます。
そもそも「一気に入れない」——入れ方の段階で防げること

前の章は、すでに持っている資産をどう守るかの話でした。この章はもう一段手前、お金を入れるときの話です。
ここを間違えなければ、そもそも耐える場面が来にくくなります。
まとまったお金が入る予定がある人ほど、先に読んでおいて損はありません。
一括で入れた直後に下がると、耐えられる人はほとんどいない
退職金や保険の満期金など、まとまったお金が一度に入ることがあります。このとき「せっかくだから全部投資に回そう」と考えるのは、自然な発想です。
ただ、これがいちばん危ない入れ方でもあります。
一括で入れた直後に相場が下がると、下落の金額そのものが大きくなります。金額が大きいぶん精神的な負荷も跳ね上がり、狼狽(ろうばい)売りが起きやすくなります。退職金の一括投資が危ないと言われるのは、この構造があるからです。
ここで思い出してほしいのが、前の章の話です。売らせるのは恐怖ではなく待ち続けることへの疲れでした。
金額が大きいと、待つ期間も長くなりそうですね
そこなんです。入れた金額が大きいほど、戻るまでの時間も、気になり続ける時間も長くなります。耐える期間を自分で長くしてしまう入れ方、と言い換えてもいいと思います。
先に外すのが50〜70%、投資に回すのは30〜50%
では、まとまったお金が入ったらどうするか。順番は決まっています。
投資額を決めるのが先ではありません。生活を守る現金を外すのが先です。
目安として、退職金のようなまとまった資金なら50〜70%、あるいは生活費の3〜5年分を、先に安全な置き場所へ確保します。普通預金や個人向け国債など、値動きのないところです。
- まず 50〜70%(または生活費の3〜5年分)→ 現金として確保する
- 残りの 30〜50% → これが投資に回してよい上限
- この線引きを、証券口座を触る前に済ませる
前の章の①(生活費の何年分を現金で置くか)と、やっていることは同じです。守る側を先に確定させてから、残りで攻める。順番が逆になると、暴落のときに守る側から取り崩すことになります。
残りも、半年〜1年かけて分けて入れる
投資に回すと決めた30〜50%も、一度に入れる必要はありません。
- 半年〜1年以上の期間をかけて
- 毎月おおよそ同じ金額ずつ
- 積立の設定を使って、自動で入るようにする
こうして時間を分けて入れることを時間分散と呼びます。高いときも安いときも同じ金額で買い続けるので、買った値段が平均化されていきます。

入れ終わるまでに下がっても、その後の分は安く買えます
そしてもう1つ大きいのが、判断する回数が減ることです。設定してしまえば、毎月「今が買い時か」を考えずに済みます。前の章の③と同じで、暴落中にやることを増やさない設計になっています。
- 一括投資は、下がったときの負荷と待つ期間を自分で大きくする入れ方
- 順番は「守る現金を外す」→「残りが投資の上限」
- 残りも半年〜1年かけて分けて入れると、判断する回数まで減らせる
さて、ここまでで決めておくことは出そろいました。最後に、なぜそれを今日やる必要があるのかを書きます。
この3つは、暴落が来てからでは決められない

決めることの中身はもう分かったと思います。あとはいつやるかだけです。ここを後回しにすると、この記事を読んだ意味がまるごと消えてしまうので、最後にその理由を書かせてください。
下がっている最中の判断は、全部「取り返す」方向へ歪む
すでに書いたとおり、人は減ったときの痛みを大きく感じます。この状態で何かを決めようとすると、判断の中身が変わってしまいます。
- とりあえず今の損だけでも止めたい
- 下がったぶん、どこかで一気に取り返したい
- そもそも、この判断が合っているのか分からない
冷静なときなら選ばない行動が、このときだけは合理的に見えてきます。判断の材料ではなく、判断する側が変わってしまっているわけです。
落ち着いてから決めよう、では遅いってことですか
そうなんです。落ち着くのは相場が戻ったあとなので、それでは間に合いません。だから何も起きていない今日のうちに決めておく必要があります。
作業そのものは、15分あれば終わる
身構えなくて大丈夫です。やることは書き出すだけで、口座を触る必要もありません。
- ひと月の生活費を書く → その1年分・2年分・3年分の金額を出す
- そのうちいくらを現金のまま置くか、金額を1つ決める
- 投資に回す分は「何年先まで使わないお金か」を書く
- 比率が崩れたときは売らずに買付で戻す、と1行書いておく
金額を出すところまでいけば、あとは今の自分の状況と見比べるだけです。足りていなければ、そこを埋めるまで投資に回す金額を抑える。
それだけで次の暴落での立ち位置が変わります。
- 埋まっている → そのまま持ち続けられる可能性が高い
- 埋まっていない → 相場を待つことが生活の不安と直結してしまう
決めた紙は、暴落の日に見返すためにある
最後にもう1つ。書き出したものは、しまい込まずに見返せる場所に置いておいてください。
僕が半年耐えて売ったとき、手元には何もありませんでした。どこまで耐えるつもりだったのかを、自分で決めていなかったんです。だから、いつやめてもよかったし、いつまでも続けるしかなかった。
決めた内容そのものより、「自分で決めた」という事実が、待てる時間をつくってくれます。
不安になった日に開いて、「この範囲なら想定内だ」と確認できる。それだけで、あの終わりの見えない感じはずいぶん軽くなるはずです。
- 下がっている最中は、判断する側が変わってしまっている
- だから決めるのは平常時。作業は15分で終わる
- 書いたものは、暴落の日に見返して「想定内」を確認するために使う
まとめ|我慢の量ではなく、待てる状態で決まる

暴落の記事を読むと、たいてい「慌てるな」「耐えろ」と書いてあります。その助言は正しいです。でも僕は、そのとおりにやって、半年見ないようにして、それでも最後は売りました。
足りなかったのは我慢ではありませんでした。いつ終わるか分からない状態を、生活ごと抱えたまま待っていたことが原因です。
- 売らせる引き金は恐怖ではなく、終わりが見えないまま待ち続ける状態
- だから「もっと我慢する」では解決しない
- 生活費を先に切り離しておけば、待つことが生活の不安と結びつかなくなる
- 決めるのは平常時。下がっている最中は判断する側が変わってしまう
暴落が来ても平気そうに見える人は、心が強いわけではないと思います。売らなくていい状態を、先に作っているだけです。そしてそれは、今日15分あれば始められます。

強くなる必要はありません。売らずに済む形にしておけば大丈夫です
なお、同じテーマを「あの半年、頭のなかで何が起きていたか」という気持ちの側から書いたものを note にも置いています。数字より心の動きのほうが近い、という方はそちらから読んでみてください。
ここまでは「売らずに済ませる」ための話でした。 では、その資産を本当に使うときは、どう崩していけばいいのか。 出口の決め方は別の記事にまとめています。持ち続ける前提が整った人ほど、次はここが効いてきます。
最後に1つだけ、断っておきたいことがあります。
※本記事に書いた体験は個人の一例です。将来の運用成果や効果を保証するものではありません。投資にはリスクがあり、判断はご自身の責任で行ってください。
