フリーランスで営業できない|言葉が出ないなら先に発信する
知り合いに「何か仕事ありませんか」と連絡しようとして、1行目で手が止まる。
営業メールの画面を開いたまま、何を書けばいいか分からずに閉じてしまう。
フリーランスなのに営業できないって、向いてないのかな
そうやって、自分を責めていませんか。
でも、営業できないことと、フリーランスに向いていないことは別の話です。
僕も営業は苦手です。いちばん困るのは、何を言えばいいか分からないこと。だから、自分から売り込んだことはほとんどありません。
この記事では、営業できない理由を3つに分けて、言葉が出ない人に合う仕事の入口を整理します。最後に、今週やる3つまでまとめました。

言葉が出ないなら、先に書いて置いておけばいいんです
まずは、自分がどの理由で止まっているのかから見ていきましょう。
- 自分が営業できない理由が、3つのうちどれなのかが分かる
- エージェント・クラウドソーシング・人脈が、それぞれ何を肩代わりしてくれるのかが分かる
- 何を言えばいいか分からない人に合う、仕事の入口の置き方が分かる
- 言葉が出ない人が今週やる3つが決まる
フリーランスで営業できないのは、珍しいことではない

営業ができないと、「自分だけができていない」ように感じます。でも、手が止まる場面にはよくある形があります。
まずはその場面を並べて、自分の止まり方を確かめてみましょう。
声をかける・メールを書く・交流会で話す、の手前で止まる
営業で手が止まるのは、たいてい「最初のひと言」を出す直前です。
- 知り合いに連絡しようとして、LINEの画面を開いたまま閉じる
- 営業メールの件名だけ書いて、本文が1行も進まない
- 交流会で名刺を渡したあと、何を話せばいいか分からず黙ってしまう
- 「仕事を探しています」とSNSに書こうとして、やめる
どれも、仕事の腕とは関係のない場面です。書く・作る・納品する力はあるのに、入口のひと言だけが出てこない。
止まっているのは仕事そのものではなく、仕事の「入口」だけです。
ここを分けて考えるだけでも、「自分はフリーランスに向いていない」という思い込みは少し小さくなります。
作業はできるのに、声をかけるところだけ止まるんですよね
「営業できない=向いていない」ではない
フリーランス向けの情報サイトでも、営業は独立して最初に当たる壁としてよく取り上げられています。営業で止まるのは、珍しいことではありません。
営業が得意だから独立した、という人ばかりではありません。独立した理由が「作る仕事がしたい」だった人なら、売り込みに慣れていなくても不思議はありません。
僕も、営業は得意ではありません。飲食店を経営していたこともあるので、まったくの未経験ではないのですが、自分では得意ではないと思っています。

向き不向きを決める前に、止まる理由を分けてみましょう
向いているかどうかを判定するより先に、やることがあります。自分がどこで、なぜ止まっているのかを切り分けることです。次の章で、その理由を3つに分けて見ていきます。
営業できない理由は3つ。僕は「何を言えばいいか分からない」だった

営業できない理由は、人によって違います。ひとまとめに「苦手」と呼んでいると、何を変えればいいのかが見えません。
ここでは苦手の中身を3つに分けて、自分がどれに近いかを確かめます。
苦手の中身は3つある
営業で手が止まるとき、頭の中で起きていることは、だいたい次の3つのどれかです。
| 型 | 頭の中の声 | 止まるところ |
|---|---|---|
| ①断られるのがイヤ | 「断られたら気まずい」 | 送信ボタンの前 |
| ②売り込むのが申し訳ない | 「相手の迷惑になるかも」 | 連絡しようと決める前 |
| ③何を言えばいいか分からない | 「そもそも何を書けばいい?」 | 1行目を書く前 |
①と②は気持ちの問題で、③は中身の問題です。同じ「苦手」でも、止まっている場所が違います。
全部当てはまる気もするけど、いちばん近いのはどれだろう
いくつか重なっていても大丈夫です。いちばん先に手が止まるのがどこかを見てください。
僕の場合は3つ目だった
僕が営業でいちばん困るのは、③の「何を言えばいいか分からない」です。
連絡しようと思っても、最初に何を伝えればいいのかが浮かばない。だから結局、自分から売り込むことはほとんどしてきませんでした。
いちばん困るのは、声をかけたあとに言う中身でした。
もし自分も③に近いと感じたなら、この記事はそのまま役に立つはずです。

③なら、話し方を練習するより先にやることがあります
言葉が出ないのは、相手に渡す中身がまだ言葉になっていないから
「何を言えばいいか分からない」は、話すのが下手だという意味ではありません。自分が何をできる人なのかが、まだ言葉になっていない状態です。
言葉が出ないときに足りないのは、話す技術ではなく「渡す中身」です。
中身が先に言葉になっていれば、あとはそれを見せるだけで済みます。
①や②は気持ちの問題なので、すぐには変えにくいものです。でも③は、準備で変えられます。その準備のやり方は、このあとの章でくわしく書きます。その前に次の章で、世の中によくある「営業の代わりになる入口」を整理しておきます。
気持ちは変えにくくても、準備なら今日から変えられますね
エージェントやクラウドソーシングは「言う言葉」を肩代わりしてくれる

営業が苦手なフリーランス向けの記事でよく勧められているのが、エージェント・クラウドソーシング・人脈の3つです。
ここでは「どれがいいか」を比べるのではなく、それぞれが営業の何を代わりにやってくれるのかで整理します。
3つの定番は、それぞれ何を代わりにやってくれるか
3つとも「営業しなくていい方法」として紹介されることが多いのですが、肩代わりしてくれる範囲はそれぞれ違います。
| 入口 | 代わりにやってくれること | それでも自分で言う必要があること |
|---|---|---|
| エージェント | 売り込みと条件のやり取り | 自分のスキルと経歴 |
| クラウドソーシング | 案件探し(仕事が先に並んでいる) | 応募文とプロフィール |
| 人脈 | 信用(相手がもう自分を知っている) | 何をしてほしいか |
表の右の列を見ると分かるとおり、どの入口を選んでも「言う中身」はゼロにはなりません。
入口は変えられても、自分が何をできる人なのかを伝える場面は残ります。
僕も倒産後、クラウドワークスで記事を書く仕事をしていました。案件が先に並んでいるので、自分から売り込みに行く必要はありません。それでも、応募するときには自分のことを書く必要がありました。
結局、どこかで自分のことを言わなきゃいけないんですね
それでも応募文やプロフィールで手が止まる人へ
クラウドソーシングで止まりやすいのは、応募文とプロフィールです。実績が少ないうちは、とくに書くことが見つかりません。
僕も、プロフィールに書くことが少なくて困っていた時期があります。
実績が少ない時期に、応募で落ちながら最初の1件をどう取ったか。自信が付いたのは何のあとだったかは、こちらにまとめています。
応募文で止まるのも、中身の言葉がまだ出てきていないからです。ここも、あとの章で書く準備でかなり楽になります。
プロフィールって、空欄を見るだけで手が止まりますよね
僕が知り合いに頼んだのは数回だけ
人脈は、3つの中でいちばん言葉が少なくて済む入口です。相手がもう自分のことを知っているからです。
ただ、僕が知り合いに頼んだのは数回しかありません。しかもそれは仕事の案件ではなく、生活費を稼ぐためにバイトをさせてもらった、というものでした。
人脈は「頼める相手がいること」が前提です。知り合いが少ない人や、何度も頼みにくい人にとっては、使える回数に限りがあります。
だから僕の場合、人脈は仕事の入口というより、生活を立て直すときの支えでした。仕事の入口は別に作る必要があった。それが、次の章で書く発信です。

頼める回数に限りがあるなら、入口は別に持っておきたいんです
僕が選んだ入口は、ブログやSNSでの発信

ここまでで、どの入口を選んでも「言う中身」は残る、という話をしました。
では、何を言えばいいか分からない僕が、実際にどこを入口にしているのか。答えは、ブログやSNSでの発信です。
自分から売り込むことは、ほとんどしてこなかった
前の章で分けた3つの型でいうと、僕は③の「何を言えばいいか分からない」で止まるタイプです。
それで、どうやって仕事の入口を作ってきたんですか?
正直に書くと、自分から売り込む営業はほとんどしてきませんでした。知り合いに頼んだのも、前の章で書いた数回だけです。
営業で入口を作れないなら、営業以外で入口を作るしかありません。
僕の場合、その「営業以外」がブログとSNSでした。
代わりに、ブログやSNSで発信している
今の僕の仕事と収入の入口は、ブログやSNSでの発信です。
倒産したあと、次はネットで仕事をしようと決めて、すぐにトレンドブログを始めました。その後はアフィリエイトに移って、6年ほど前には単月で25万円まで届いた月もあります。ただ、それはそのひと月だけで、その後は月10万円まで落ちました。
アフィリエイト(ブログで商品を紹介して、売れたら報酬をもらう仕組み)は、読者がブログを読んで、自分でリンクを押して買ってくれます。僕が誰かに声をかける場面は、ありません。
つまり発信は、「何を言えばいいか分からない」僕でも回せた入口でした。25万から10万に落ちた理由は、あとの章で書きます。

声をかけなくても、読んだ人のほうから来てくれる入口です
会社の外に置く「もうひとつの小さな柱」も、発信から始められる
これはフリーランスだけの話ではありません。会社員が副業で入口を探すときも、同じ考え方が使えます。
いきなり会社を辞める必要はありません。本業を続けながら、noteやSNSでの発信で「もうひとつの小さな収益の柱」を育てていく。二刀流で進めるのが、40代・50代にとって無理の少ない備えになります。
発信は、始めるのにお金も許可もいりません。今日から1本目を置けます。
営業の言葉が出ない人ほど、先に発信を1つ置いておく価値があります。
次の章では、なぜ発信が「言葉が出ない人」に向いているのかを見ていきます。
発信は「言うこと」を先に書いて置いておく営業になる

声をかけるのが苦手でも、発信なら続けられる。そこには、はっきりした理由があります。
この章では、発信が「何を言えばいいか分からない人」に向いている理由と、実際に何を書けばいいのかを整理します。
その場で言葉を出さなくていい
声をかける営業やメールの営業は、相手を前にして、その場で言葉を出す必要があります。言葉が出ない人が止まるのは、まさにここです。
| 声かけ・営業メール | 発信 | |
|---|---|---|
| 言葉を出すタイミング | 相手の前で、その場で | 自分のペースで、先に |
| 書き直し | できない | 何度でもできる |
| 話の始まり方 | 自分から切り出す | 読んだ人のほうから来る |
発信なら、言うことを先に書いて置いておけます。読んだ人は、こちらが何をできるのかを知ったうえで来てくれます。
発信は、言葉を「その場で出す」営業を、「先に書いて置いておく」営業に変えてくれます。
書き直しがきくぶん、言葉が出ない人でも焦らずに準備できます。
書き直せるなら、あわてずに言葉を選べますね
書くのは「できること・やったこと・考え方」
では、何を書けばいいのか。最初は、次の3つに分けて考えるのがおすすめです。
- できること:自分が手伝える作業や分野
- やったこと:これまでの仕事や、実際に試したこと
- 考え方:仕事で大事にしていること、どう進めるか
この3つが言葉になっていれば、営業で「何を言えばいいか分からない」と止まる場面はかなり減ります。発信の材料になるだけでなく、応募文やプロフィールにもそのまま使えるからです。
いちばん手が止まりやすいのは、1つ目の「できること」です。自分の強みを言葉にする手順は、こちらにまとめています。
「自分には強みがない」と感じて、できることが書けない人へ。
凡庸なスキルでも、掛け合わせると書く中身になる
「できることを書いてと言われても、人に言えるほどのスキルがない」と感じる人もいると思います。
特別なスキルなんて、何も持ってないんですよ
でも、1つのスキルで飛び抜ける必要はありません。
ひとつのスキルでトップを目指すより、今の仕事の経験と、ほかの経験を掛け合わせる。
たとえば「Webライティング」×「不動産営業の経験」のように組み合わせると、ほかの人とは違う立ち位置になります。
今の仕事と前の仕事、仕事と趣味。掛け合わせの材料は、たいてい手元にあります。それを「できること・やったこと・考え方」の3つに分けて書き出せば、それがそのまま発信の中身になります。
発信を入口にするときの落とし穴

発信は、言葉が出ない人に向いた入口です。ただ、置けば勝手に回り続けるわけではありません。僕自身がつまずいたところも含めて、先に知っておいてほしい落とし穴を3つ書きます。
更新が止まると、入口ごと閉じる
発信の入口は、更新が止まると少しずつ閉じていきます。前の章で書いた、単月25万円から月10万円に落ちたときがまさにそうでした。
- 伸びが鈍る
- 飽きて、市場調査をやめる
- 別のジャンルを探し始めて、更新が落ちる
- 読者を次の記事へつなぐ導線の管理が崩れる
- 月10万円まで落ちる
最初から「更新をやめよう」と決めたわけではありません。伸びが鈍ったところから、少しずつ手が離れていきました。
入口を閉じるのは、少しずつ手が離れていくことの積み重ねです。
発信が止まるきっかけと、止めないための仕組みについては、こちらに書いています。
正月休みに更新を止めた1日から、発信がどう止まっていったか。意志に頼らず続けるための仕組みと、その仕組みの落とし穴まで。
反応が無い時期がある
発信は、書いてすぐ誰かに届くとは限りません。反応が無い時期もあります。
書いても誰にも読まれてない気がして、やめたくなります
僕も、アフィリエイトの伸びが鈍っていったとき、なぜ伸びないのかを自分で説明できませんでした。理由が分からないまま手が止まっていったのは、さっきの順番のとおりです。
反応が無い時期に「向いていない」と決めてやめてしまうと、それまでに置いた入口も一緒に閉じてしまいます。
反応が無い時期があるのは、発信ではふつうのことです。その前提を最初から持っておくだけでも、やめる判断を急がずに済みます。
発信だけで生活費をまかなおうとしない
発信を入口にするなら、入口が育つまでの生活を先に守っておく必要があります。
僕は、生活費を常に3か月分以上は確保するようにしています。
生活の土台があると、発信の反応が無い時期にもあわてずに済みます。
発信は、すぐにお金になる入口ではありません。今の仕事や収入の柱を削ってまで発信に寄せるのではなく、土台を残したまま、横に入口を1つ置く。その順番で進めてください。

入口を育てる間の生活は、先に守っておきましょう
言葉が出ない人が、今週やる3つ

ここまで読んで、「発信を入口にしてみようかな」と思ったなら、大きな準備はいりません。今週のうちにできる3つだけ決めておきましょう。
- ①自分ができることを3行で書く
- ②それを1本の記事か投稿にして置いておく
- ③知り合いに頼むなら、「何をしてほしいか」を1文だけ決めておく
1つずつ見ていきます。
①自分ができることを3行で書く
最初にやるのは、前の章で分けた「できること・やったこと・考え方」を、1行ずつ書き出すことです。
- できること:「〇〇の作業を手伝えます」
- やったこと:「〇〇の仕事を〇年やってきました」
- 考え方:「〇〇を大事にして進めます」
きれいな文章にする必要はありません。メモ帳やスマホのメモに、思いついたまま書けば十分です。
この3行が、営業で「何を言えばいいか分からない」ときの答えになります。
②それを1本の記事か投稿にして置いておく
3行が書けたら、それを1本の記事か投稿にして、どこかに置いておきます。
ブログとSNS、どっちから始めればいいんですか?
置く場所は、ブログでもnoteでもSNSでもかまいません。大事なのは、最初は1か所に絞ることです。
いきなり全部の場所で始めると、更新が追いつかなくなります。前の章で書いたとおり、更新が止まると入口ごと閉じてしまいます。
1本置けば、それがあなたの最初の入口です。誰かに声をかけるときも、「ここに書いてあります」と見せるだけで済みます。
③知り合いに頼むなら、「何をしてほしいか」を1文だけ決めておく
発信と一緒に、知り合いに頼むという入口を使う人もいると思います。そのときは、声をかける前に「何をしてほしいか」を1文だけ決めておきましょう。
たとえば「〇〇の作業で手が足りないときは、声をかけてください」のように、相手が答えやすい形にしておくと、声をかける手前で止まりにくくなります。
言葉が出ない人ほど、話しながら考えるのではなく、言うことを先に決めておくほうが楽です。発信と同じで、「先に書いて置いておく」やり方です。

言うことを先に決めておくのが、言葉が出ない人のコツです
まとめ:営業できないなら、言うことを先に書いて置いておく

最後に、この記事の要点を振り返ります。営業できないことは、フリーランスに向いていない証拠ではありません。
止まっている理由を分けて、自分に合う入口を選べばいいだけです。
- 営業できない理由は「断られるのがイヤ」「売り込むのが申し訳ない」「何を言えばいいか分からない」の3つに分けられる
- エージェント・クラウドソーシング・人脈を使っても、「言う中身」はゼロにはならない
- 言葉が出ない人には、言うことを先に書いて置いておける発信が向いている
- 発信は、更新が止まると入口ごと閉じる。生活の土台を残したまま、横に1つ置く
まずは今週、自分ができることを3行で書くところから始めてみてください。

営業の言葉が出なくても、入口は作れます
そして、今の仕事とは別の入口をもう一歩具体的に考えたくなったら、次の手順を使ってみてください。
収入の柱がまだ1本の人が、今の仕事の地続きから2本目の候補を選んで、試す期間・時間の上限・撤退ラインまで先に決めていく手順をnoteにまとめました。営業に頼らない入口を、無理のない形で1つ足したい人向けです(有料note・500円)。
▶ 2本目の入口を育てる5ステップを読む(note)
