上司の理不尽で辞めたい僕が、辞める前にやればよかったこと
「もう無理かもしれない」——月曜の朝、通勤電車の中でそう思ったことはないだろうか。上司の言うことが、筋が通っていない。それでも従わなければいけない。そのモヤモヤを抱えたまま出社して、気づけばスマホの検索窓に「会社 辞めたい」と打ち込んでいる。
僕自身、30代前半のときに同じ理由で会社を辞めた。今の話ではなく、当時の話だ。辞めたこと自体は後悔していない。ただ、辞める前にやっておけばよかったことが、ひとつだけある。この記事では、その後悔の中身と、在職中の今だからできる小さな一歩を書く。
- 上司の理不尽で消耗しているのが自分だけではないと分かる
- 「辞める」か「我慢する」の二択以外の選び方があると分かる
- 辞める前にやっておくと後悔が減る、具体的な準備が分かる
会社に着く前から、もう疲れている

この章では、上司の理不尽で消耗している状態を、まず言葉にすることから始める。自分の状況がうまく言えないまま我慢を続けると、疲れの正体が分からず、ただ「自分が弱いだけ」だと思い込みやすいからだ。
理不尽の中身は「怒鳴られる」ことじゃなく「筋が通らない」こと
上司からのプレッシャーというと、大声で怒鳴られる場面を想像する人が多いかもしれない。でも実際に人を消耗させるのは、もっと静かなものだ。指示が朝令暮改で二転三転する。
昨日は「早く出せ」と言われた資料を、今日は「なぜそんなに急いだ」と言われる。何が正解か分からないまま、次の指示を待つ時間だけが増えていく。
怒られてるわけじゃないのに、なんでこんなに疲れるんだろう

それ、筋が通らないことへの疲れだと思う
辞めたいと思いながら、誰にも言えずにいる孤独
さらにつらいのは、この状態を周りに話しにくいことだ。同僚に愚痴っても「そんなもんだよ」で流されることがある。
家族に相談すれば「我慢が足りないんじゃないか」と言われるかもしれない。誰も悪気はないのに、自分だけが大げさに反応しているような気持ちになる。
「上司が理不尽」という言葉だけでは、周りに伝わりにくい。具体的な場面(指示が二転三転する、成果と関係なく評価される、など)まで言葉にできると、自分自身も状況を整理しやすくなる。
「甘え」だと思われたくなくて、言い出せなかった

ここでは、辞めたいと感じることが「甘え」ではない理由を、データと構造の両方から見ていく。
ミドルシニア就労者の約8割が同じ不安を抱えている
実は、「このまま今の会社にしがみついていていいのか」という漠然とした恐怖は、ミドルシニアの就労者の約8割が共有しているリアルな感覚だと言われている。つまり、あなたが特別に弱いから辞めたいと感じているわけではない。
むしろ、この年代の大多数が同じ不安を抱えながら、それでも黙って出社を続けている、というのが実態に近い。
「辞めたい」と感じるのは弱さの証拠ではなく、この年代の大多数が共有している感覚である
我慢し続けることそのものがリスクという視点
「石の上にも三年」という言葉があるように、我慢すること自体が美徳とされる場面は多い。でも、筋が通らない指示に耐え続けることと、成長のための我慢を混同してはいけない。
前者は、自分の判断力や心の余裕をすり減らすだけで、何かが積み上がっていくわけではないからだ。
理不尽を我慢し続けることは、根性の証明ではなく、判断力をすり減らすリスクでもある。
僕が上司の理不尽で辞めたときの話

ここからは、僕自身の話をする。30代前半、当時勤めていた会社での出来事だ。
理不尽の正体は、上司自身が仕事をせず遊んでばかりいたこと
僕の場合、理不尽の正体はシンプルだった。上司自身が仕事をせず、遊んでばかりいたことだ。指示は雑で、責任の所在もあいまいだった。
それでいて、うまくいかないときのしわ寄せはこちらに来る。「なぜこの人の下で自分が消耗しなければいけないのか」という感覚が、日に日に積み重なっていった。
辞めるかどうか3ヶ月迷った末に、結局辞めた
すぐに辞めると決めたわけではない。迷った期間は、だいたい3ヶ月ほどだった。今日はまだ大丈夫、来月まではがんばろう、そう自分に言い聞かせる日が続いた。
でも、その「まだ大丈夫」は少しずつ積み重なって、限界に近づいていった。最終的に、僕は結局そのまま辞める決断をした。
3ヶ月も迷ったんですか

うん。すぐには決められなかった
辞めてよかったこと、辞める前にやればよかったこと

この記事でいちばん伝えたいのは、この章の内容だ。辞めたこと自体への評価と、辞め方への評価は、分けて考える必要がある。
辞めてよかったのは、理不尽なストレスが消えたこと
まず、辞めてよかったことははっきりしている。理不尽なストレスが消えたことだ。毎朝、あの上司の顔を思い浮かべながら出社することがなくなった。
それだけで、心の重さがまったく違った。この点について、僕は今も後悔していない。
唯一の後悔は「副業を安定させてから辞めればよかった」こと
一方で、後悔していることがひとつだけある。辞める前に、副業を安定させておけばよかったということだ。
会社という収入源がある状態で、外の世界で小さく稼ぐ経験を積んでおけば、辞めたあとの焦り方がまったく違っていたはずだ。
辞めたこと自体は後悔していない。後悔しているのは「辞める前に何も試していなかった」こと
なぜ「辞めてから」ではなく「辞める前」なのか

ここでは、なぜ「辞めてから動く」よりも「辞める前に動く」ほうがいいのか、その理由を説明する。
収入がゼロの状態で動くのと、給料がある状態で試すのとでは焦りの質が違う
辞めたあとに何かを始めるのと、会社に在籍したまま試すのとでは、抱える焦りの質がまったく違う。
収入がゼロになった状態で新しいことに挑戦すると、「早く結果を出さなければ生活が立ち行かない」という焦りが、判断を鈍らせる。
一方、給料という土台がある状態なら、小さく試して、うまくいかなければ立て直す、という余白を持てる。
会社に籍を置いたまま試すのは「逃げ」ではなく「準備」
「会社にいながら副業を試す」というと、腰が引けているように見えるかもしれない。でも僕の実感では、これは逃げではなく準備だ。
会社という土台があるうちに、外の世界で自分の力がどれくらい通用するのかを確かめておく。それだけで、いざというときの選択肢が増える。
「辞めてから頑張る」のではなく「辞める前から小さく試しておく」。この順番の違いが、辞めたあとの景色を大きく変える。
辞める前に知っておきたい、副業の最初の壁

ここでは、実際に副業を始めるときに、最初にぶつかる実務の壁を2つ紹介する。踏み込んだ手順はブログの後半で詳しく扱うので、ここではまず知っておくべきことだけを押さえてほしい。
年間所得20万円を超えたら確定申告が要るライン
副業を始めるときにまず知っておきたいのが、年間所得20万円というラインだ。
副業の利益がこのラインを超えると、確定申告が必要になる(確定申告:1年間の所得を自分で計算して税務署に申告する手続きのこと)。
領収書や取引の記録は、早いうちからデジタルで保管しておくと、あとで慌てずに済む。
会社に知られたくないなら、住民税は「普通徴収」を選ぶ
副業をしていることが会社に知られる最大のきっかけは、住民税の通知だと言われている。
副業分の所得が増えると、住民税額が変わり、会社の給与担当者がその変化に気づくことがあるからだ。こ
れを避けたい場合は、確定申告のときに住民税の徴収方法として「普通徴収(自分で納付書を使って納める方法)」を選べる。こうすれば、納付書は会社ではなく自宅に届く。
普通徴収を選び忘れると、住民税の通知が会社経由になり、副業の存在が伝わってしまうことがある。確定申告の際は選択欄を必ず確認したい。
ただし、これは「会社にバレない裏ワザ」ではない。会社によっては就業規則で副業そのものを禁止していたり、事前の届け出を求めていたりする。まず自社の就業規則を確認したうえで、ルールの範囲内で動くことが前提になる。
それでも「今すぐ辞めたい」なら

ここまで「辞める前に準備を」と書いてきたが、すべてのケースに当てはまるわけではない。この章では、その例外について触れる。
我慢し続けることが心や体を壊すラインを超えているなら話は別
理不尽を我慢し続けることが、心や体を壊すレベルに達しているなら、話は別だ。準備よりも先に、自分の心と体を守ることを優先してほしい。
この記事で伝えたいのは「絶対に準備してから辞めろ」ということではなく、「余裕があるうちに、少しでも準備しておくと選べる道が増える」ということだ。
「勢いで辞める」と「準備してから辞める」では、辞めたあとの景色が変わる
同じ「辞める」でも、勢いだけで辞めるのと、少しでも準備してから辞めるのとでは、そのあとの景色がまったく違う。
すべてを完璧に整えてから辞める必要はない。ただ、今日からでも始められる小さな一歩があるなら、それだけで辞めたあとの焦り方が変わってくる。
完璧に準備できてなくても、始めていい理由がそこにあるんですね

うん。ゼロか100かで考えなくていい
まとめと次の一歩

ここまで、上司の理不尽で辞めたいと感じている人へ向けて、辞める前にできる準備について書いてきた。
ただ、この記事で書いたのは「方向」までで、当時の僕がどんな気持ちで3ヶ月悩んだのか、辞めたあとにどう感じたのかという、もう少し感情に近い部分までは書ききれていない。
- 上司の理不尽で辞めたいと感じるのは、甘えではなく多くの人が共有する感覚
- 辞めること自体より、辞め方(準備の有無)が、辞めたあとの景色を左右する
- 唯一の後悔は「辞める前に副業を安定させておけばよかった」こと
最後に、この記事だけでは書ききれなかった部分を、行き先として置いておく。
辞める前の心境や、辞めたあとの実感をもっと詳しく知りたい方へ。
noteに、当時の気持ちをそのまま書いた記事があります。
