のぶ

「選挙に行こう」って、うるさいなぁ……。

正直、僕一人が行ったところで何も変わらないでしょ?

日曜日にわざわざ着替えて、投票所まで歩いて……その時間で映画一本観たほうが、よっぽど人生豊かになる気がするんだよね。これって、僕が冷めてるだけかな?

まさ

いや、お前のその感覚は、極めて「合理的」で、数学的に正しい。

多くのインテリぶった大人は「若者の政治無関心ガー」と嘆くが、実は若者の方がよっぽどコスト感覚に優れているんだよ。

だがな……その「賢さ」が、お前自身を殺すナイフになっていることに気づいているか?

「選挙に行っても、社会は変わらない」

そう感じてスマホを閉じるあなたは、実は非常に優秀です。

なぜなら、あなたは無意識のうちに「投票にかかるコスト」と「それによって得られるリターン」を瞬時に計算し、「割に合わない」と判断できている**からです。

しかし、ここには重大な**「構造のバグ」が潜んでいます。

本記事では、きれいごとは一切抜きにします。「民主主義を守ろう」なんて道徳の授業をするつもりもありません。

ただ、「今のままでは、あなたが損をし続ける」という冷徹な事実と、そこから抜け出すための「生存戦略」についてお話しします。

【この記事で学べる3つのこと(夜明けの鍵)】

  • なぜ「投票に行かない」ことが、数理的には正解なのか?(コスト分析)
  • 賢い若者が陥る**「学習性無力感」**という名の檻。
  • 1票を「結果を変える弾丸」ではなく、**「生存ログ」**としてハックする方法。

なぜ「行かない」ことが合理的なのか

まずは、あなたの「行かない」という判断がいかに論理的か、証明してやろう。

まさ

お前は「期待値」という言葉を知っているか?

宝くじが「愚か者の税金」と呼ばれるのは、当選確率と金額を掛け合わせた期待値が、購入金額を大幅に下回るからだ。

実は、選挙もこれと同じ構造を持っている。

のぶ

え、選挙が宝くじ? どういうこと?

1票の価値は「限りなくゼロ」という不都合な真実

冷酷な事実を突きつけましょう。

数万、数十万票が集まる選挙において、「あなたの一票が当落を決める(=結果を変える)」確率は、天文学的に低いものです。

経済学的に見れば、投票という行為は以下の式で表されます。

P × B < C

  • P (Probability): あなたの1票が結果を左右する確率(ほぼ0)
  • B (Benefit): 望む候補者が当選した時の利益
  • C (Cost): 投票にかかるコスト(時間、労力、情報収集)

Pがほぼゼロである以上、左辺(期待できる利益)は限りなくゼロになります。

一方で、右辺の**C(コスト)は確実に発生します。 つまり、「投票に行く=確実な赤字行動」なのです。これを回避する「棄権」は、経済合理性に基づいた「最適化行動」**と言えます。

Z世代を襲う「学習性無力感」の正体

ひかり

でもね、計算だけじゃないと思うの。

「どうせ無理だ」って、最初から諦めちゃう心の癖……みたいなものがありませんか?

のぶ

あぁ……あるかも。

なんかこう、巨大な壁に向かって豆鉄砲を撃ってるような虚しさというか。

第一生命経済研究所のレポート『シリーズZ世代考』によると、Z世代は社会課題への関心は高いものの、「自分の行動が社会を変える」という感覚(政治的有効性感覚)を持てていないことが指摘されています。

これは心理学で言う**「学習性無力感」です。 「何をしても結果が変わらなかった」という経験(あるいは予感)を繰り返すことで、抵抗する気力を失い、「無抵抗であることが合理的だ」**と学習してしまうのです。

あなたは「政治に無関心」なのではありません。

「無力であることを学習させられた被害者」なのです。

時給換算で見る「投票コスト」の壁

さらに、物理的なハードルが追い打ちをかけます。

総務省の調査(18歳選挙権に関する意識調査)によると、若者が住民票を移さない理由のトップはこれです。

  • 1位:いずれ実家に戻るつもりだから(29.0%)
  • 2位:成人式に参加できなくなるなど不都合が生じると思ったから(17.6%)
まさ

見てみろ。これが現実だ。

一人暮らしの学生や若手社会人にとって、「不在者投票の手続き」や「住民票の移動」にかかる労力(コスト)は莫大だ。

書類を取り寄せ、郵送し、平日に役所へ行く……これを時給換算してみろ。数千円、下手すれば数万円分の労働に匹敵する。

その対価が「期待値ゼロの1票」なら、誰だってパスするさ。

コストの天秤
のぶ

そうだよ! まさにそれ!

僕が怠け者なんじゃなくて、システムが「行かない方がお得」にできてるんじゃん!

じゃあ、このままでいいよね? 合理的なんだから。

まさ

ここからが「夜明け」の話だ。

その「個人の合理性」が、「集団の自殺」を招いているとしたらどうする?

次章、お前が切り捨てた1票が、どうやってお前の首を絞めに来るかを解説する。

……いいや。

「棄権」という名のサイレント・コスト

あなたが「コスト」を嫌って投票所に行かない間に、社会の裏側では何が起きているのか。

残酷なほどシンプルな「政治の市場原理」を解説しよう。

ひかり

ねえ、あなたがコンビニの店長だとして、「毎日お弁当を買ってくれるお年寄り」と、「店に入ってきても何も買わずに帰っていく若者」。

どっちのために品揃えを工夫する?

のぶ

そりゃあ、買ってくれるお年寄りのためでしょ。

和食を増やしたり、柔らかいパンを置いたりしようかな。

まさ

正解だ。それが「シルバーデモクラシー」の正体だ。

政治家は「思想家」である前に、当選し続けなければ失業する「職業人」だ。

彼らにとって投票所に来ない人間は、客(有権者)ではない。ただの「風景」だ。

あなたが「いない」ことにされる市場原理

【警告:あなたは予算配分から除外されています】

政治家が政策(予算)を決める時、最も重視するのは「誰が自分に票をくれるか」です。

若者の投票率が低く、高齢者の投票率が高い現状では、「若者向けの政策(教育・奨学金)」を削り、「高齢者向けの政策(年金・医療)」を手厚くするのが、政治家としての合理的生存戦略になります。

あなたが合理的に「行かない」を選択した結果、政治家も合理的に「あなたを無視する」を選択しているのです。

「棄権」は「現状維持」への強力な賛成票

さらに恐ろしいパラドックスがあります。

あなたは「どの候補者も微妙だから選べない」と言って白票を投じたり、棄権したりします。

しかし、その行動はシステム上、「現在の勝者(組織票を持つ与党や現職)」をアシストすることにしかなりません。

まさ

いいか、よく聞け。

選挙に「パス」はない。「棄権」とは、「今のままで文句ありません」という白紙委任状を、勝者にプレゼントする行為だ。

お前が寝ている間に、お前の財布から税金が抜かれ、お前が使わない施設や制度に使われることが「決定」されるんだ。

消去法の罠

1票を「生存報告」に書き換える

絶望するのはまだ早い。

ここからが「知的な夜明け」だ。

ゲームのルールをハックし、コストを最小限に抑えながら、あなたの「生存」を社会に刻み込む方法を伝授する。

のぶ

うぅ……悔しいけど、じゃあどうすればいいの?

たった1票じゃ結果は変わらないっていう事実は変わらないじゃん。

ひかり

のぶくん、「勝とう」としなくていいの。

ただ、「私はここにいますよ」って、手を挙げるだけでいいんだよ。

1票を「結果を変える弾丸」ではなく「ログ」と定義せよ

【思考の転換:Voting as a Log】

  • × 古い考え:1票で当落(結果)を変えようとする → 無理ゲーで絶望する。
  • 新しい戦略:1票で「年代別投票率(ログ)」を上げる。

政治家は、選挙結果の「勝敗」だけでなく、その後の「出口調査データ(誰が投票に来たか)」を血眼になって分析します。

もし「20代の投票率」が急上昇したらどうなるか?

彼らは慌てます。「おい、若者票が無視できなくなったぞ」「次の選挙では若者向けの公約を入れないと落選する」と。

あなたの1票は、今の政治を変える弾丸ではありません。

未来の政治家に「若者を無視したら痛い目に遭うぞ」と警告する、マーケティング・データ(ログ)なのです。

心理的コストを下げる「防衛的投票」

「誰に入れたらいいか分からない」という悩みも捨てましょう。

ベストな政治家(救世主)など存在しません。

選ぶ基準は「自分を攻撃しない人」「自分にとってマシな人」で十分です。

  • 推し活投票: もし好きなタレントを推す感覚に近い候補がいれば、それでOK。
  • 消去法投票: 「こいつだけは嫌だ」という候補以外に入れる。これも立派な戦略。
まさ

完璧を目指すな。Amazonで買い物する時だって、最高の商品じゃなくて「星4つでレビューが悪くないやつ」を選ぶだろ?

政治も同じだ。「最悪を回避する」ための防衛行動として、気楽にマークシートを塗りつぶせ。

今日からできる「夜明け」へのAction

最後に、具体的なアクションリストを渡す。

これを実行した瞬間、君は「搾取される風景」から「意思あるプレイヤー」へと進化する。

【生存のための3ステップ】

  1. 期日前投票を利用する: 日曜日にわざわざ予定を空ける必要はない。買い物のついでに「手ぶら」で行ける(入場券がなくても身分証があればOKな自治体が多い)。
  2. 住民票問題をハックする: まだ移していないなら、「実家に帰る口実」にしてしまえ。親に顔を見せつつ、ついでに投票して、お小遣いでももらってくれば「黒字」だ。
  3. 「行った」とSNSで呟く: あなたの投稿を見た友人が1人でも動けば、あなたの1票は「2票分の価値」になる。これが現代のレバレッジだ。

【YouTube Shorts:動画で復習する】

[https://youtube.com/shorts/rzuzUHi_Pe4]「合理的棄権の夜明け」(40秒で分かる、あなたが損をする理由)