資産運用するときに、まず気になるのが貯金と投資にかける割合です。
今ある手持ちの現金をすべて投資に回してしまうと、万が一のときに困ってしまいます。
少なすぎると得られるリターンが少なくなってしまいます。
生活の質が損なわれないような範囲で将来的な資産形成ができるように知識が必要です。
そこで投資と貯金の割合をどのくらいにしたらいいのか?基本的なことをまとめていきます。
100万円は現金でもっておこう
貯金額の何パーセントを投資に回した方がいいか決める前に、絶対に守らなければいけないルールがあります。
ルールを絶対に守ることで、何割を投資していくのか決めていきます。
投資するときの鉄則として、100万円以上は現金で持っておきましょう。
持っているお金の全額を投資するのはやめましょう。
病気になったときや退職したときに生活が破綻してしまいます。
最低限の生活費となる現金を持っておく必要があります。
100万円以上あれば、病気で会社を休職してしまったときでも生活に困りません。
1ヶ月の生活費が30万円かかったとしても、3ヶ月は給料が貰えなくても問題ありません。
生活費が高い人であればもっと多く現金を持っていなければいけません。
100万円はあくまでも目安なので、投資先が流動性が高い資産で、換金しやすいものや株式投資とか債券投資なら、貯金額はもう少し少なくてもいいかもしれません。
もしお金が足りなくなった時は、株や債券を売ってお金にすることができるからです。
反対に投資先の流動性が低い資産で換金しにくいもの、不動産投資などならもう少し多めの貯金額を残しておいた方が安心です。
お金が無くなったときに不動産はすぐに売ることができません。
使い道の決まっているお金に手をつけない
貯蓄として残しておかなければいけないお金は生活費だけでなく、あらかじめ使い道が決まっているおかねを投資に回してはいけません。
数年後の学費として貯めているお金に手をつけてしまったら、投資で失敗したときに学費が払えなくなってしまいます。
子供が大学費用を賄うために株で殖やそうと思って、貯金を投資し始めたらいざ子供が大学に入試するときに株価が購入時の半分になっていたということもありえます。
投資で損失が出てしまったときでも、大学の入学金や学費の支払いは先延ばしにできません。
こんな状況になったら子供も困ります。
なので学費などの近い将来に使う予定があるお金は、投資資金とは別で定期預金などで貯めておきましょう。
投資と貯金の割合は?
投資と貯金の割合をどのような配分にするか?
具体的な考え方を解説していきます。
現状を把握して未来予測する
まず一番大切なことが、現状を把握していなければいけません。
手持ちの資産がいくらぐらいで、毎月入ってくる収入と支出がどのくらいなのかは少なくても把握しておきましょう。
大雑把でもいいので、月単位を年単位に拡大していきましょう。
何年後にどんなイベントがあって、いくらくらいの出費があるのかを書き出していきます。
その時に出ていくお金だけでなく、入ってくるお金についても予測してみましょう。
何歳でどういう役職についていて、いくらくらいの給料とボーナスが貰えるのかも数字に起こしておきます。
どのくらいいきるのかまでは考えなくていいのですが、早いうちから見通しを立てておいた方が、将来的に資産配分を見直すうえで役に立ちます。
目標設定をしておく
手持ちのお金と収入や支出を把握出来たら、資産運用の目標金額と目標達成までのじかんを考えなければいけません。
大きな目標を定めるのもいいのですが、できれば近いイベントごとに細かく目標を立てていきましょう。
そこから最終的な目標に導いていくと良いでしょう。
資産運用する配分と割合
目標が定まったら、手持ちの資産と今後に得られる収入をどのような割合で資産運用に使っていくのか検討してください。
継続的な出費と万が一に備えた現金を別に配分して考えると、投資に回す分がスムーズに割り出せます。
その上で、投資商材のリスクとリターンのバランスを考えて、目標金額と照らし合わせてみてください。
ある程度、投資に関する知識が必要ですが、資産運用の入門書がたくさんあるので、ローリスク・ミドルリスクで始められる投資を把握しておくことはそれほど難しいことではありません。
無理のない範囲で目標を達成することができる目途が立っていたら、順次手持ちの現金を投資商材に変えていきましょう。
振り返りが重要
資産配分は一度行えばいいということではありません。
定期的に見直しを行い、得られている利益と目標値との差を見比べてみましょう。
もし損失が発生していたり、目標達成までにその損失が回復できないなら、早めに損失を確定して別の投資商材に資産を割り振らなければいけません。
放置しておくだけでお金が増えていく投資商材もありますが、ほとんどの投資商材は利益を出すのにそれなりの手間がかかります。
将来的に豊かな生活をするために、その手間をかけて丁寧な資産運用を行う心構えが大切です。
投資初心者はどうすればいい?
投資初心者でもわかりやすい基本的な知識を解説していきます。
投資の定義とは?
投資は将来に何らかの利益を期待して、手持ちの現金を商品やサービスと交換することです。
投資をギャンブルのようなイメージで理解している人が多くいますし、実際に一部の商品ではそういう側面もあります。
ですが、投資の本質はギャンブルではありません。
投資は世の中にあふれている様々な事業と個人をつなぐ架け橋のようなものです。
世の中にある当たり前に利用されているサービスや商品は、最初にそれらの価値を見出して投資した人がいたから生まれたものです。
ギャンブルのように元締めがいる仕組みではありませんし、相応の知識を身につけることで、事業の先行きを見定めながら複数の投資商材に分散することができるようになってきます。
また不動産投資のような、自身が賃貸事業のオーナーになって運用するタイプの投資もあります。
投資は自分のノウハウで、リスクコントロールしながら資産を殖やすことができる労働とは違った資産形成の手段なのです。
利益を得るための仕組み作り
投資商材には無数の種類があって、りえきを得る仕組みはたくさんあります。
代表的なものとしてあげられるのが、現金を一時的に金融商品と交換して、一定期間お金に変えない代わりに小額の利回りを貰うものです。
定期預金や債券で得られる利息や株式の配当、賃貸経営の家賃などがそうです。
このように継続的に得られる収入はインカムゲインとも言われます。
一度に得られる利回りは小額かもしれませんが、コツコツ回収知ることで長期的には元本以上の収入を得ることができます。
投資で得るもう一つの形としては、現金を一時的に金融商品と交換して、価値が上昇したタイミングで売却するものです。
このように金融商品そのものを売買して得る収入は、キャピタルゲインと言われます。
株や不動産の売却で得られる収益が代表的なものです。
投資商材の多くは、このインカムゲインとキャピタルゲインという2つの収益構造があって、投資かはこれを上手く組み合わせて効率的に資産運用する方法を考えています。
メリットとデメリット
メリットとデメリットが投資には必ずつきまとってきます。
どのようなメリットとデメリットがあるのか簡単に解説していきます。
メリット
一番大きなメリットは、お金が殖えるということです。
10年~30年スパンで資産運用していけば、高確率で金融市場で好調と不調の両方を経験することになります。
機械的に投資をしていたらお金は増えないかもしれませんが、安い時に買って高い時に売るという原則を徹底していればプラスにすることができるので、マイナスになる可能性は低いはずです。
10円も投資をしていると、それなりのノウハウが身に付きますし、市場に対する感も身に付きます。
デメリット
一番大きなデメリットは、投資の勉強をしなければいけないことです。
また、投資したお金が必ず帰ってくるという保証がないことです。
「投資は自己責任」とよく言われますが、リスクを回避するために投資判断の根拠となる知識や経験が不可欠になってきます。
資産運用に関するサービスが多数あって、専門家から助言を受けることも選択肢のひとつです。
しかし、最終的に判断するのは自分です。
万が一の損失が発生してしまったときに助言者に責任を求めても、投資したお金が返ってくることはありません。
手放しで運用することができる投資商材もありますが、その段階まで持っていくにはかなりの知識がなければいけません。
非課税制度を知っておこう
投資で得た利益には、20.315%の税金がかかります。
例えば100万円の利益が出たときには、手元に残るのは80万円となります。
儲けの2割は、決して小さい数字ではないのですが、そこを知っておきたいのが非課税制度です。
日本では非課税制度が用意されていて
小額投資非課税の略で、1年間に120万円までの投資を限度に、その後5年間で得た利益は課税されない仕組み。
個人型確定拠出年金の略で、利益が非課税であるほか、掛け金や年金給付額の一定額が所得から控除される仕組みです。
税金は小さいように見えますが、大きな負担です。
投資商材の種類にもよりますが、所得税以外の税金について考えなければいけないものです。
利益を出すだけでなく、出ていくお金を小さくする工夫も資産運用するためには大切なものです。
投資するときは心構えが必要
得られるはずの利益を失ってしまうと、すでにある利益を失うことに恐怖を覚えるという心理実験の結果が出ています。
投資で例えるなら、手持ちの資産価値が上がっていくと売りたくなりますが、下がっているときには売りたくなくなるのです。
当たり前だと思うかもしれませんが、上昇し始めたらすぐに売りたくなって下降し始めたら売りたくなくなるのは危険なことです。
利益が小さくなってしまい、損失が大きくなるということになります。
投資で一番重要なのは、生き残ることです。
仮に損失が出てしまっても、またチャレンジするだけの余力を残しておくことが重要です。
投資で損失を出さないことは不可能です。
小さな損失を覚悟して、一部の利益を大きく育てることを意識してください。
初心者がしてはいけないこと
一部の投資商材で、先物やFXは値動きが激しくて信用取引ができるので、短期間に大きな利益を出すことができるのですが、初心者が継続的にせいかを出しのは不可能です。
最初はコツコツ稼いでいたのに、1回の失敗で収益がマイナスになってしまうことは不通にあります。
簡単に利益が出るということは、同じように簡単い損失を出す可能性があるということです。
金融に関する基本的なノウハウを身につけていないときに、ハイリスク・ハイリターンの商材は手を出さないようにしてください。